不動産の減価償却の計算方法とは?おすすめの節税対策まで紹介

減価償却と聞いてすぐに内容を解説できる人は少ないでしょう。会計関連の仕事に就いている人であればすぐに理解できるかもしれません。不動産の売却では減価償却についても理解しておくとさまざまな面でメリットがあります。
この記事では不動産の減価償却とは何なのか、基本的な知識から解説していきます。あわせて節税対策についても紹介しますので参考にしてください。

リナビス
リナビス

あなたの家の適正価格が分かる
【完全無料】 一括査定

リナビス
step1
リナビス
step2
完全
無料
診断スタート

不動産の減価償却の基本

不動産の減価償却の基本からみていきましょう。そもそも減価償却とは何を指すのかという点からしっかりと理解していくことで不動産の減価償却も理解しやすくなります。

そもそも減価償却とは

減価償却という言葉を耳にしたことはあっても、いざ説明してくださいといわれると言葉に詰まる人も多いでしょう。減価償却とは会計上の処理で使う言葉です。簡単に解説するなら「長年にわたって利用できる設備や備品などを購入したときの費用を使用する期間で分割した金額を会計上で計上する」ということになります。
こうして内容を理解すると減価償却はめんどくさいと感じるかもしれません。ただ、大きな金額のものを購入した場合に分割しなければ収支が赤字になってしまうケースもあります。
日常的な買い物程度であれば問題ないでしょう。ただ設備投資に数百万円の費用をかけた場合にこれを計上するとその年の収支が大きな赤字になる可能性は高くなります。さらに減価償却で注目なのが購入した設備などの資産がずっと同じ価値を保ち続けるのかという点です。
たとえば機械を300万円で購入したとしましょう。機械は消耗品です。そのため最初の年と10年後で機械の働きや価値は異なります。当然ながら10年使用した機械の価値は1年目よりも下がるでしょう。
この価値を正しく評価して決算として報告するのも減価償却の役割です。
不動産も大きな金額が動くことが多いものです。そのため設備関係は減価償却をすることで赤字と黒字の乱高下を抑制する働きをします。ただし注意したいのは土地については固定資産と定められており価値が下がるとは限らないとされている点です。

不動産の賃貸や売却による収入計算で必要

不動産で減価償却を活用する場合、経費として計上できる場合とそうでない場合があります。経費計上できるケースは、アパートやマンションを経営していて家賃収入がある場合です。経費として計上できるというよりも正しくは減価償却費を計算しなければならないと考えておきましょう。
家賃収入については確定申告で所得を申告する必要があります。申告を行う際には減価償却を計算する必要ができます。
もうひとつのケースは不動産を売却した場合です。不動産を売却して利益が生じると確定申告をする必要があります。この際、得られた利益は不動産譲渡所得とみなされます。この不動産譲渡所得を計算する場合に減価償却も計算する必要があるのです。

建築物の種類別の償却率

減価償却を計算するときに必要なのが償却率です。償却率には2種類の計算方法があります。それが定額法と定率法です。具体的には次の項目で解説します。
この項目では建築物の種類によって異なる償却率についてまとめておきます。具体的には次の表のとおりです。

 建物構造事業用非事業用
耐用年数償却率耐用年数償却率
建物木造22年0.04633年0.031
鉄骨造(鉄骨の厚み3mm超から4mm以下)27年0.03840年0.025
鉄骨造(鉄骨の厚み4mm超)34年0.03051年0.020
RC造(鉄筋コンクリート造)47年0.02240年0.025
構築物アスファルト舗装、フェンス10年0.100
ブロック塀15年0.067

不動産の減価償却は2つの方法で計算

では具体的に不動産の減価償却を計算してみましょう。減価償却の計算方法は定額法と定率法の2種類があります。それぞれについて解説しますので参考にしてください。

償却費は毎年同額の定額法

定額法は毎年計上する減価償却費を同額に定めて計算する方法です。定額法での減価償却額の計算方法は次のとおりになります。
取得価額×償却率
償却率=100÷法定耐用年数
たとえば法定耐用年数が15年の1,000万円の設備を購入した場合の償却率は次のとおりです。
100÷15=6.6%
この償却率を使って減価償却費を算出します。
1,000万円×6.6%=660,000円
つまり1年の減価償却費は660,000円ということになるのです。ここで注意しておきたいのは、不動産を購入した年度になります。平成19年3月31日以前に購入した有形固定資産に関しては次の方法で計算します。
取得価額×90%×償却費
減価償却費は次のとおりに計算します。
1,000万円×90%×6.6%=594,000円
このように平成19年以前に購入した有形固定資産は少しだけ減価償却費が低くなるという特徴がある点は覚えておきましょう。

償却費は減っていく定率法 

減価償却費が毎年減っていくのが定率法です。定率法については建物または建物付属設備には利用することができない点には注意が必要となります。
前年度の減価償却費を差し引いてから償却率をかけることでその年の減価償却費を算出します。償却率は耐用年数によって低くなっていく点も特徴です。
定率法の計算方法は次のとおりになります。
未償却残高×定率法の償却率
たとえば1,000万円の設備を購入して10年で償却するとした場合は1年目の減価償却費は200万円となります。2年目からは1,000万円から200万円を差し引いた800万円に償却率を常じて減価償却費を算出するということです。
ここで覚えておきたいのは不動産を取得した記事によって償却率が変わるという点になります。具体的には次の3種類の定率法があるため覚えておきましょう。

  • 旧定率法
  • 250%定率法
  • 200%定率法

これらがどのように異なるのかを表でまとめておきましょう。

 取得時期償却率
旧定率法平成19年3月31日まで耐用年数による
250%定率法平成19年4月1日から平成24年3月31日まで定額法の償却率を2.5倍にした数値
200%定率法平成24年4月1日以後定額法の償却率を2倍にした数値

不動産の減価償却を3つのケースで計算

ここからはより具体的に不動産の減価償却の例をあげながら解説していきます。

居住用マンションでの減価償却の計算例

居住用のマンションの減価償却費の計算方法を具体例をあげて解説します。
マンション取得費=5,000万円
居住年数=10年
まずは不動産売買契約書を参考にしてマンションを土地と建物に分ける必要があります。今回はわかりやすくするために按分しておきましょう。つまり建物が2,500万円で土地が2,500万円ということです。
この段階で定額法と定率法のどちらで減価償却費を計算するのかを決定します。建物本体に定率法は利用できず、自動的に建物は定額法となるため設備についても定額法を用いて計算します。
建物本体=2,000万円
建物設備=500万円
次にマンションの利用可能年数を調べます。RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションと仮定すると47年が耐用年数となります。付属設備についてはここでは15年と設定しましょう。
建物本体の耐用年数=47-(10×0.8)=41年
この場合、中古マンションの扱いになるため居住年数に0.8をかけて計算します。これを利用すると建物の減価償却費は次のとおりです。
20,000,000円×0.025=500,000円
つまり建物の減価償却費は50万円ということになります。

中古で購入した木造戸建ての減価償却の計算例

中古物件の木造戸建てを購入した場合の減価償却費の計算方法は次のとおりです。
木造戸建ての取得費=3,000万円
居住年数=25年
マンションと同様に戸建ての場合も建物と土地の価格を算出する必要があります。この場合は、建物本体が2,000万円、建設設備が200万円、土地が1,000万円として計算してみましょう。
建物本体=2,000万円
建物設備=200万円
木造の戸建ての場合は耐用年数が22年です。付属設備についてはここでは15年と設定しましょう。中古物件の木造住宅の場合は22年未満の物件であれば6年で減価償却し、22年を超えている場合は4年で減価償却することになります。
中古物件の減価償却費は次の計算式で算出しましょう。法定耐用年数を経過しているため耐用年数は22年で計算します。
22×0.8=17.6
小数点以下は切り捨てのため耐用年数は17年になります。
20,000,000円÷17年=1,176,470円
つまり建物の減価償却費は1,176,470円ということになります。

賃貸収入がある不動産の減価償却の計算例

賃貸の場合はどうでしょうか。賃貸収入がある不動産の減価償却費の計算方法を紹介します。
賃貸収入がある場合には事業用の不動産とみなされる点が特徴です。事業用の不動産の減価償却については取得した年度で計算の方法が変動します。具体的には次のとおりです。
平成10年4月1日以降=建物の償却方法は定額法のみ
平成19年4月1日以降=1円まで償却することが可能になる
平成24年4月1日以降=200%定率法スタート
平成28年4月1日以降=建物および建物付属設備の計算では定率法が廃止される
具体的な計算方法については次のとおりです。ちなみにここから出てくる残存価額とは取得価額の10%で計算します。

  • 平成10年4月1日から平成19年3月31日に取得した場合

減価償却費=(取得費ー残存価額)×償却率×事業に供された月数÷12

  • 平成19年4月1日以降に取得した場合
    減価償却費=取得費×償却率×業務に供された月数÷12

具体的な数字をあげて計算してみましょう。
事業用アパート取得費=8,000万円
構造=鉄骨造(鉄骨の厚み4mm超)
取得年月日=平成10年5月1日
平成19年3月31日以前に取得した不動産であるため旧定額法の償却率を用いて計算します。
減価償却費=(80,000,000-8,000,000)×0.037×252÷12=55,944,000
つまりこの場合の減価償却費は5,594万4,000円ということになります。

減価償却後の不動産所得の計算方法

減価償却は不動産を売却する場合にも必要となるものです。たとえば2,000万円で購入した戸建てを10年後に売却した場合、同じ2,000万円で売却したとすると譲渡所得が発生した場合には税金が発生します。
2,000万円で購入した不動産を同じ額で売却したのだから利益は発生しないのではと考える人もいるでしょう。10年経過すると住宅は劣化します。劣化した分を譲渡所得から差し引いて利益と考える際に必要となるのが減価償却となります。
ここからは減価償却後の不動産所得の計算方法について解説します。

不動産を売却したときの所得

まずは譲渡所得の計算方法を解説します。不動産譲渡所得は次の方法で算出することが可能です。
不動産譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)
譲渡収入金額とは不動産の譲渡代金・固定資産税・都市計画税の精算金などが含まれます。取得費は不動産を購入した費用のことです。譲渡費用については売却の際にかかって費用になります。
減価償却が関係するのは主に取得費の部分です。不動産を購入した際の金額から建物部分の減価償却費を差し引いたものが取得費となります。
譲渡費用については次のものが含まれますので覚えておきましょう。

  • 仲介手数料
  • 登録免許税
  • 印紙税
  • 立退料
  • 解体費用
  • 測量費用

主にこのような費用を含むことができます。

賃貸収入があるときの所得

家賃収入にも所得税と住民税が課税されます。
所得税に関しては総合課税と分離課税に分かれており、不動産所得は総合課税に分類されます。総合課税は、給与所得と不動産所得を合計した金額に税率を乗じて算出するものです。分離課税は、この逆で給与所得と不動産所得を別のものとして税額が計算されます。
総合課税の特徴は損益通算することができる点です。損益通算は赤字になった所得を別の黒字所得から差し引くことが可能です。
不動産の総収入から必要経費を差し引くと不動産所得を求めることができます。ここでいう必要経費には次のものが含まれる点を覚えておきましょう。

  • 修繕費用
  • 管理委託費用
  • ローンの金利
  • 減価償却
  • 広告費用
  • 不動産取得税と固定資産税

不動産所得のおすすめ節税方法

不動産所得に課税される税金を少しでも安くする方法について解説します。

売却で控除を使い利益を減らす

税額を減らすためには不動産所得を減らすことを考えることが第一です。不動産所得に関してはいくつかの特例や控除を利用することが可能なためよく理解して損をしないようにしましょう。
まず一般的に用いられるのが3,000万円の特別控除です。マイホームの売却であればこの特例を利用することで節税することができるでしょう。具体的には不動産所得から3,000万円を差し引くことができる特例です。
これ以外には次のような特例があります。

  • 10年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例
  • 特例の居住用財産の買換え特例

不動産を売却してもしも損失が出た場合に利用できる特例が次のとおりです。

  • 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例
  • 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例

このようにさまざまな特例があるため、自分が売却する不動産の条件にあてはまるものがないか確認してみましょう。

賃貸収入を事業所得扱いにする

もうひとつの節税対策として、家賃収入がある場合にこの収益を事業所得扱いするという方法があります。不動産経営は不動産所得ではありますが、不動産投資と考えれば事業所得になるのではと考えることもあるでしょう。
ただ、国税庁によると不動産投資における所得はあくまでも不動産所得であると定められています。ただし事業の規模によっては事業所得として申告することもできる点を理解しておくとよいでしょう。規模については次のとおりです。

  • アパート・マンションなどの共同住宅=おおむね10室以上
  • 戸建て物件=おおむね5棟以上

この程度の規模の経営であれば事業所得として申告することが可能になります。事業所得として申告する場合のメリットは多くあるためメリットについても解説しておきましょう。

  • 賃貸用物件を解体する場合など資産を損失した場合の金額は全額必要経費として計上可能
  • 家賃滞納などによる貸し倒れの損失分を回収不能となった年度分の必要経費として計上可能
  • 青色申告の事業先住者給与または白色申告の事業専従者控除の適用対象
  • 青色申告特別控除最高65万円

損益通算で赤字でも節税をする

損益通算については先ほども説明しましたが、節税対策のひとつとして捉えることができます。たとえば不動産所得で損益が出た場合の赤字を本職の給与所得と合算して所得税や住民税を節税することが可能です。

不動産の減価償却計算で気になる疑問

不動産の減価償却を計算する際によくある疑問点について解説します。よく理解しておくことで税金で損をしないための対策をこうじることができるでしょう。

減価償却の計算はどこに相談をしたらよいか

減価償却の計算は複雑なものであるため自分で算出するには難しい場合もあります。もしも誰かに相談したい場合には不動産に詳しい税理士を選択するとよいでしょう。無料相談をしている税理士もいるためまずは相談してみることをおすすめします。
ただし長期的に依頼する場合には報酬が発生するためよく確認してから依頼するようにしましょう。最寄りの税務署で税金の相談会などが開催されていることもあるためこうした機会を利用するのもひとつです。売却の場合は信頼できる不動産会社に相談するという方法もあるでしょう。

耐用年数を超えた不動産の減価償却はどうするか

減価償却の計算では耐用年数が大きく関係してきます。耐用年数によって償却率が異なるため減価償却費も変動するのです。耐用年数を超えている不動産の場合の計算方法について解説します。
建物の築年数がかなり経過していて耐用年数を超えてしまうこともあります。この場合の計算方法は次のとおりです。
法定耐用年数×20%
つまり木造の戸建てで耐用年数が22年の建物で、築年数が25年の物件の法定耐用年数は次のようになります。
22×20%=4.4年
端数は切り捨てとなるためこの場合の法定耐用年数は4年です。耐用年数4年の償却率は0.250なのでこの物件を2,000万円で購入した場合の減価償却費は次のとおりです。
20,000,000円×0.250=5,000,000円
つまりこの物件の減価償却費は年間500万円ということになります。

不動産の減価償却を計算して正確な額で納税

不動産の減価償却を正確に計算することは節税にもつながるため重要です。ただ、自分で正確な額を算出するのはなかなか難しいケースが多いでしょう。
この場合は、不動産に詳しい税理士に相談することをおすすめします。または信頼できる不動産会社に相談するのもよいでしょう。
とくに不動産売却の場合は譲渡所得なども税金に大きく関係してくるため正確な数字を算出できるようにしておくことが必要になります。
信頼できる不動産会社を探すためには不動産一括見積もりサイトの利用が便利です。すまいステップでは独自の基準を設けることで全国の優良な不動産会社とのみ提携しています。そのため安心して利用することができる点が魅力です。

【完全無料】うちの価格いくら?