中古住宅を売却する注意点とは?引き渡し後に後悔しない対策

これまで住んでいた家を売却することになったら売主として中古住宅の売却を行います。不動産会社に仲介を依頼して、買主と売買契約を結ぶのが一般的です。それ以外にも、不動産会社選びや確定申告など売却に伴う手続きはさまざまあります。
ここでは中古住宅の売却を始める前に、売却の流れや注意するポイントについて解説していきます。不動産取引は金額の大きなやり取りになるので、物件を引き渡した後で後悔しないように事前の対策が重要になってきます。
売却が終わるまでトラブルにならないよう、ポイントごとに注意する点を押さえてスムーズな売却活動を行いましょう。最後に専門家ごとに相談内容をまとめているので、売却に伴う不安や疑問点を解消しておきましょう。

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中古住宅を売却する基本の流れ

まずはじめに所有する中古住宅を売却しようと思ってから売却を完了するまでの基本的な流れについて把握しておきましょう。不動産会社に依頼して買い主を見つけてもらい、お金を受け取ったら終わりというイメージがありますが、実際にはもう少し複雑です。中古住宅を売却する基本的なポイントとしては8つあります
(1)売却理由を明確に
(2)査定に出す
(3)売却の準備をする
(4)不動産会社と媒介契約を締結する
(5)売却活動をはじめる
(6)売買契約を締結する
(7)引き渡しを行う
(8)確定申告を行う
これら8つの項目についてそれぞれ詳しくみていきましょう。

売却理由を明確に

まずはどのように中古住宅を売りたいか理由を明確にし、計画を立てましょう。買い替えて新しい物件を購入するなら、売却をしてから新しく購入するのか、新しく購入してから売却するのかの方針で売り方が変わります。
買い替えではなく、遺産相続やまとまったお金が必要な場合には、いつまでに売却をして、手元にお金が入る必要があるのかを決めましょう。売却理由、売却期間、売却方法、希望金額、買い替えの有無、住宅ローンの残額などをまとめておくと不動産会社との打ち合わせで役立ちます。
なぜ売却が必要なのかを書き出すだけでも、目的が明確になるので、どのような売却をしたら良いのか相談するときの材料になります。売却理由は人それぞれさまざまです。何からはじめればよいかわからなくても、現状を書き出すことで不動産会社も提案ができます。

査定に出す

売却理由が書き出せたら、いくらで所有する中古住宅が売れるのか不動産会社に査定を依頼しましょう。購入した当時の金額よりも下がることが多いです。どれくらいの金額で売れそうなのか査定価格を知ることで、売却できるかどうかの判断をしましょう。
家を売却しても住宅ローンを返済できる見通しが立たなければ、中古住宅の売却自体が難しくなります。査定は物件の所在や間取りなどから簡易に調べる机上査定と、不動産会社の担当者が実際に訪問して行う訪問査定があります。
不動産会社に物件売却の仲介を依頼する場合には、訪問査定を受けてから契約に進みます。ただし、不動産会社によって査定価格は大きく異なる傾向にあります。まずは机上査定で複数社から取り寄せて、比較検討の上、契約したいと思える不動産会社に訪問査定を依頼して最終的に契約先を決めましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼するなら無料の一括査定サイトの利用がおすすめです。中でも「すまいステップ」なら簡単操作で最大4社から査定価格を出してもらえます。

売却の準備をする

査定価格が出たら、どこにどのように売却を依頼するか検討しましょう。住宅ローン残額を下回る査定価格でも、売却が必要な場合には、売却の方法や手続きが変わってくるので、不動産会社や場合によっては弁護士などの専門家との相談が必要です。
住宅ローンが返済できないことが分かり売却を急がない場合にはこの時点で売却を取りやめることが良いでしょう。売却の見込みがあるなら、不動産会社を選ぶのと同時に、身辺整理をしていきます。土地で境界が不明な場合は、測量なども行います。
測量には時間がかかるので売出し前に済ませておく方がよいです。相続物件が古いものや地方のものは特に注意が必要です。マンションなどで管理費や修繕積立金に滞納があるなら、滞納を解消しておきましょう。

不動産会社と媒介契約を締結する

売却準備が整ったら選んだ不動産会社と物件の売却を仲介してもらうための「媒介契約」を結びます。不動産仲介を行う媒介契約には大きく分けて3つの種類があります。
・一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
後ほど詳しく紹介しますが、不動産会社としては一般媒介契約よりも、専任媒介契約や専属専任媒介契約を勧めてくるでしょう。売却条件がよく、売却期間に余裕があるなら、専任媒介契約などでも問題ありません。
なかなか売却しにくい物件で、できるだけ早く売りたいなどの条件がある場合には一般媒介契約も検討しましょう。専任媒介契約や専属専任媒介契約は3カ月間は契約した1社のみが仲介できる契約です。
不動産会社を選んではみたものの、営業がうまくなかったり、買い手がなかなか出てこない場合、契約期間中は他の不動産会社に依頼できません。一般媒介契約なら複数社が同時に営業活動をするので、短期間での売却を希望する場合は一般媒介契約の方がよい場合もあります。各社から契約方法についてはよく説明を受けて物件の状況と意向に合わせて選択しましょう。

売却活動をはじめる

媒介契約を結んだらいよいよ売却活動の開始です。売出し価格を決めたらまずは3カ月間集中して売却に努めましょう。不動産会社は広告を展開して、購入希望者が現れたら内覧などの案内をしてくれます。売却活動で重要なのは売出し価格と内覧です。
査定価格を参考に広告に掲載する売出し価格を決めます。高すぎても買い手が付かないですし、安すぎると手取りが少なくなります。売れる範囲の金額で、できるだけ高く値をつけられるよう、担当者としっかり話をして詰めておきましょう。また、内覧は売主の努力が売却に繋がる部分です。
家を綺麗にしておく以外にも、購入希望者の内覧日程に合わせて行動できると良いでしょう。購入希望者のほとんどは内覧をして購入を決めます。買い手がつくチャンスを売主の都合で失わないよう、できるだけ希望に沿うようにしましょう。

売買契約を締結する

めでたく買主が決まったら売買契約を結びます。買主はまず契約内容と重要事項説明書を読み合わせて説明を受けた上で、手付金として仲介手数料の10%を支払います。付帯設備がある場合は内容と状態を確認します。売主は物件価格の50%を仲介手数料として不動産会社に支払います。
売買契約と引き渡しの日は別になることがほとんどです。契約を交わしてから1カ月程度の間に引き渡し日を設定します。引き渡し日を何らかの事情で先延ばししたい場合には契約の段階で記載しておきましょう。買主が住宅ローンを組む場合には審査結果が出るまで引き渡しできるか確定しないので注意が必要です。

引き渡しを行う

引き渡すときには売主、買主、不動産会社と司法書士などが同席して契約内容を再度確認します。買主から残金の入金が確認できたら、売主は住宅の鍵を買主に渡します。同時に買主の抵当権の設定や売主の抵当権の抹消、不動産登記を司法書士が行います。
売主に抵当権が残っていて、買主が新たな抵当権を設定する場合は、抵当権の抹消と双方の新たな抵当権の設定も同時に行います。司法書士は不動産会社から紹介されることが多いです。司法書士を指定したい場合には事前に不動産会社に相談しましょう。
また、引き渡し後は3カ月程度の間瑕疵担保責任が発生します。契約後に重大な欠陥が判明した場合には売主が責任を持って対処する必要があります。契約内容によっては瑕疵担保責任を免責する契約もあります。

確定申告を行う

売買契約を結んで引き渡しが終わったら中古住宅の売却が終わると思いがちですが、最後にもう1つ重要なことが残っています。不動産の売却を行ったら確定申告が必要です。売却をした年の翌年2月16日〜3月15日(令和2年度分は4月15日まで延長)までの期間に税務署に確定申告書類を提出して申告します。
確定申告が必要になるのは住宅を売却して利益が出た場合です。売却利益は譲渡所得と呼び、
譲渡所得=売却価格−取得費−譲渡費用−特別控除
で求めます。取得費は物件を購入した時の費用を計上します。譲渡費用は売却にかかった仲介手数料などを計上します。特別控除は売却物件が必要条件を満たす場合に3,000万円などの金額を売上価格から差し引けます。
ここで求めた譲渡所得に税率をかけることで譲渡所得税を求めます。取得費よりも売却価格が低い場合には譲渡所得が発生しないので、譲渡所得税は発生せず、確定申告も不要です。売却価格から特別控除を引いたときに譲渡所得が無くなった場合には、譲渡所得税は発生しませんが、確定申告の必要はあります。
確定申告の必要があるのに申告しないと延滞料などが発生するので期間中に申告が終わらせられるよう準備しておきましょう。確定申告書の作成に当たっては不動産会社のサポートを受けながら、資料などを無くさないように大切に保管しましょう。収入状況が複雑な場合や、給与所得と不動産所得以外にも収入がある場合には税理士に相談するなど専門家を頼りましょう。

中古住宅を売却する10の注意点

中古住宅を売却する際にトラブルになりやすいことや売却が滞る要因など注意すべき点があります。ここではそれぞれ10個のポイントに分けて中古住宅を売却する注意点を紹介していきます。注意点を把握して対処しておくことでスムーズに売却がはじめられます。
また、対応に時間がかかる場合や売却が難しい場合には売却計画を見直すこともできます。ここで挙げる項目以外にも疑問な点や不安な点が出てくるでしょうが、1人で抱えず専門家に相談して1つずつ解決していきましょう。

ローンの残債や土地の境界で売却に支障がでる

住宅の売却で問題になりやすいのは住宅ローンの残債と土地の境界問題です。それぞれ売却を再検討する必要が出てくるので注意しましょう。まずは住宅ローンの残高です。住宅ローンの残債が売却しようとしている中古住宅の価格よりも高い場合には住宅ローンが返済できません。この状態をオーバーローンと呼んでいます。
オーバーローンの場合には、住宅ローンを組んだ金融機関の設定している抵当権が外れないので、そのままでは売却ができません。差額資金を捻出するか、売却時期を先送りして残債を減らすなどの対策が必要です。どうしてもオーバーローンの状態で売却する必要がある場合には、金融機関に任意売却の相談をして、許可を得る必要があります。
任意売却の条件は厳しく、競売にかけるよりは高く売れますが、住宅ローンは残るので、その後の返済ができるかが重要なポイントになります。また、地方の戸建ての場合には土地の境界がはっきりしていないことがあります。
相続した土地などで土地の境界が定められていないと測量をして土地の境界と面積を確定する必要があります。境界の確定には測量費用がかかる他に、境界に隣接する所有者の同意が必要です。境界確定に数カ月から数年かかるケースもあります。
土地の境界が確定していないことが判明したら、売却の前に土地境界の確定ができるかの作業が必要です。相続する場合には境界が確定されていない土地の場合は、遺産の内容にもよりますが、相続放棄も検討する必要があります。

売却したお金はそのまま残らない

住宅ローンの残債を基準に売却価格を考えていると、手元に残るお金が足りなくなります。不動産の売却には以下のような費用がかかります。

費用名費用支払時期
仲介手数料 ( 売却額 × 3% + 6万円 ) + 消費税売買契約時と決済後
印紙税1,000円∼6万円売買契約書の作成時
抵当権抹消費用1,000円(司法書士に依頼すると1万∼5万円)移転登記時
住宅ローン返済手数料 5,000円~3万円ローン返済時
譲渡所得税所得税額(短期) = 売却益 × 30.63%
所得税額(長期) = 売却益 × 15.315% 
確定申告後
住民税住民税額(短期) = 売却益 × 9%
住民税額(長期) = 売却益 × 5% 
確定申告後
ハウスクリーニング費用3万∼10万円クリーニング実施後
測量費用50万~80万円測量実施後
解体費用100万~300万円解体後
契約書類発行費用300円/枚程度書類発行時

これらの費用を合算して売却価格を考えないと思わぬ損をすることになりかねません。仲介手数料の手付金や印紙代、測量した場合の費用は売却代金が入る前に支払いが必要です。仲介手数料を含めると100万円以上は経費がかかります。売却利益がある場合には翌年に税金の支払いも必要です。売却で得たお金は満額残らないので、経費も含めていくらで売却するか、売出し価格が重要です。

不動産会社へ相談前にリフォームをしない

一昔前までは売主がリフォームをして売出した方が高く売れる状況もありました。しかし近年はリノベーション人気もあってリフォームをしたからといって売れやすくなるとも限りません。買主が自分でリノベーションを考えているなら、リフォーム代分が高くなって買主が付きにくくなることもあります。
また、相場より高くなる傾向にあるので、売却のために値下げしていくとリフォームにかけた費用も回収しにくくなります。水道管が壊れていたり、漏電する、雨漏りするなどは取り替えて修繕する必要があります。水回りのパッキンの不具合や外壁の汚れ、フローリングの傷みなどは補修しておくと内覧での印象がよく見せられます。
ただし、費用対効果を考えて、費用がかかりすぎるようなら、物件に不具合があることを掲載して買主に対応してもらう方が効率的な場合もあります。リフォームや補修にも期間がかかるので、売却期限とも合わせて、補修・修繕をしたほうが良いか、物件に掲載して価格を引いた方が良いか不動産会社とよく相談しましょう。

不動産会社は複数社を比較しないと損をしやすい

不動産会社には得意な物件や経営方針などで査定額に100万円単位で差が出ることがあります。査定額が高いから良い不動産会社かというと一概にも言えません。ただ査定額を釣り上げて契約を取りたいだけの企業も見受けられます。
不動産会社を選ぶ際には、複数の査定依頼をして、自身の要望を汲み取ってくれる信頼が置ける担当者を見つけことも重要です。そのためには一度に複数の不動産会社に査定依頼ができる一括査定サイトを利用するのが便利です。
ただ闇雲にいくつもの不動産会社から査定額が寄せられても対応に困るだけで、良し悪しの判断が難しいです。できればあらかじめ優良な不動産会社に絞って依頼をしたいですよね。「すまいステップ」による一括査定なら優良な不動産会社のなかからより優れた不動産会社を厳選し、一度に4社から査定を受けられます。
査定を担当するのも有資格者でベテランの営業が対応してくれます。サービスの利用に不安なことがあれば電話でのサポートもしているので安心です。不動産会社の比較をして損をしないためにも、一括査定サイトの選考条件も気にして選びましょう。

すすめられるままに媒介契約を結ばない

不動産会社に仲介・斡旋を依頼する3つの媒介契約には以下のような違いがあります

 一般媒介契約専任媒介契約専属専任媒介契約
契約できる不動産会社複数社1社1社
売主が買主をみつけてくるできるできるできない
販売活動の報告義務なし2週間に1回以上1週間に1回以上
レインズへの登録義務なし義務あり義務あり

一般媒介契約は価格にこだわらないから早く売却したい人、買手が多くつく人気物件を売却する人にはおすすめです。一般媒介契約は複数の不動産会社から売り出して、各社紹介された買主の中から決めた買主との契約に関して、仲介した不動産会社に仲介手数料を支払う契約です。
人気があったり、値引きをして営業活動で買主を見つけられる場合には、各社で競争することで早く売買契約に至る可能性が高いです。また、不動産売買の情報を全国の不動産会社が検索できる「レインズ」への登録義務はありません。
専任媒介契約の場合には、人気のない物件や希望価格を守りたい人におすすめです。不動産会社は1社としか仲介を依頼できませんが、手厚いサポートで、売れにくい物件でも活動報告や広告展開なども回数や登録義務が契約に盛り込まれるので安心です。
一般媒介契約の場合には、売れにくい物件は無理に営業活動をしてくれない場合もあり、営業状況も定期的に報告する義務はないので状況がつかめない可能性があります。専任媒介契約なら、売主自身で買主を見つけることはできるので、売主も積極的に営業活動する場合には専任媒介契約がおすすめです。
信頼できる不動産会社に全て任せたい場合には、専属専任媒介契約を選びましょう。契約した1社のみが物件の売買を担当し、売主が買主を見つけてくることもできませんが、期間内に売却できるよう最大限のサポートが期待できます。特に売れにくい場合には、専属専任媒介契約で売り出して、契約期間後に売れ残ってしまったら、買い取ってくれる買取特約をつけられる不動産会社もあります。
不動産会社としては専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んで自社で取引をしたいところです。売主としては両手仲介で、売主買主双方が契約した不動産会社に絞られることで、価格が操作されたり、販売チャンスを失う懸念があります。
特に売り止めや囲い込みと呼ばれる不動産会社による情報操作が行われると、買主や他の不動産会社からの紹介ができず、販売チャンスを失います。物件の価値をよく理解したうえで、契約方法のメリット、デメリットを踏まえて、納得のいく媒介契約を結びましょう。
もし、専任媒介契約で売れ残った場合には、一般媒介契約に変えて、複数社で競争することで買主が見つかることもあります。不動産会社がすすめるままに契約をしたけど、そんなはずではなかったと後から思っても、契約期間中は変更できないので、最初が肝心です。

広告作成を不動産会社に丸投げしない

売却活動がはじまると不動産会社はネットやチラシに物件の広告を掲載していきます。広告の作成自体は不動産会社がやってくれます。ただ、広告の出来栄えは買主の印象に大きく影響するので、自身でも確認しましょう
魅力的な印象が得られる写真が使われているか、メリットとなる情報が記載されているかを中心に見ておきましょう。もし、物件の写真が少なく、周辺の商業施設や学校などの情報しか掲載されていないと買主の目に留まりにくいです。
部屋を魅力的に見せられるよう掃除や片付けをするなどして、写真の点数はできるだけ多くしましょう。印象の悪い写真などは撮り直して差し替えてもらいましょう。インターネット広告は特に重要なので、内容に不足や問題があると感じたら担当者に相談しましょう。
また、担当者からの要望にはできるだけ対応して、充実した物件情報を公開しましょう。

中古住宅の売却を急がない

住宅の売却は売出してから契約できるまでにまずは3カ月程度はかかるとみて想定しておきましょう。売却を急ぐと、購入希望者の値下げにすぐに応じて、もっと高くれる可能性を失い、損をしてしまいます。複数の購入希望者が現れて比較検討できるぐらいの余裕があると値崩れしにくいです。
また、買主が見つかり、契約したが買主の住宅ローンが通らなかった場合には、再度売却をする必要があります。売却期限までに余裕がないと更に足元を見られることになりかねません。マンションなどでは2カ月程度で売却できる場合もありますが、おおむね3カ月から6カ月程度は売却期間として充てるように計画を立てましょう。
どうしても急ぐ場合には、不動産会社による買取保証などをつけることで、売却期間内に販売できなければ、担当した不動産会社が買い取るサービスもあります。ただし、相場よりも4〜6割程度の買取価格になるので売却理由と照らし合わせて検討しましょう。

購入希望者と口約束をしない

売買契約書および重要事項説明書や物件情報確認書などの売買契約に関する書類は、不動産会社が立ち会いのもと、読み合わせによる確認が原則として行われます。もし、買主との間で口約束した事項があっても書面に項目が記載されていなければ成立しない可能性が高いです。特に不動産会社が間に入るために、担当者のやり取りで言った言わないが起こらないように注意も必要です。
担当者や買主と話す時にはしっかりメモを取って記録しましょう。メモの内容が契約書に反映されているかも確認が必要です。掃除の程度や鍵の交換、補修・修繕の箇所などトラブルになりやすい箇所は契約書の内容をよく確認しておきましょう。
不動産売買は大きな契約なので口約束はしないようにし、言った言わないで口論になることは避けましょう。また、瑕疵に関わる部分は特にその後の責任問題に繋がるので、問題がある部分は明確にし、対応についても明文化しておきましょう。

売却後も中古住宅のトラブルに責任がある

物件のことをよく知っている売主が、全く知らない買主に売却するため、売主はより大きな責任を負っています。特に契約不適合責任については、契約内容が守られなかった場合の補修や修繕、代金の減額、契約の解除、損害賠償請求などの権利を買主は有しています。
買主は購入後5年以内に問題を見つけた場合には、発覚から1年以内に売主に請求する必要があります。これら契約不適合責任は旧来、瑕疵担保責任と呼ばれていたものが、民法・商法改正により、適用範囲などを一部変更して切り替えられたものです
契約不適合責任は任意規定なので、双方が合意していればその内容を変えても法的効力を保持できます。契約不適合責任の期間を売却後3カ月程度に区切ったり、古い物件なら不具合については請求しないなどの内容を契約書に記載することで、双方が負う契約不適合責任の内容を調整できます。
その分、売主としては責任を追求されないように、事前の不具合の告知や、契約書の内容に十分に注意する必要があります。契約解除のような最悪の状況にならないように、不具合については不動産会社にきちんと伝えて、契約内容を精査しましょう。

売却の利益は確定申告用に残しておく

順調に売却ができて売却利益が出るほど、翌年の確定申告で納税する所得税額は高くなります。数カ月から半年以上先の支払いになる譲渡所得税分のお金を残しておかないと納税できません。利益額が大きいと、特別控除や特例を利用しても高額の税金を支払う可能性があります。
不動産売却時点で納税額は計算できるので、事前に準備をして、きちんと納税義務を果たしましょう。確定申告期間内の申告を忘れたり、税金を支払えないから、確定申告を無視すると税務署から督促を受けます。この場合、特別控除が利用できなくなり、税額が高額になります。
また、無申告加算税や延滞税も加算されます。対応が悪質な場合には重加算税が加算されるので負担はより大きなものになります。無申告は大きな損をするので申告が必要な場合は必ず期間内に申告しましょう。
確定申告書に不備があっても修正ができます。特別控除も受けられるので、しっかり書類を準備しておき、税務署に提出しましょう。手続きが不安な場合には税理士に代行を依頼することもできます。費用はかかりますが、金額が大きな契約ほど専門家に任せた方が安心です。

中古住宅を個人で売却するときの注意点

近年では不動産会社を仲介せずに個人間で中古住宅を売却することもインターネットを活用し、システム上は簡単になってきました。しかし、経験や知識があればまだいいのですが、はじめて家を売却する場合には個人取引は難航する部分も出てきます。
ここでは、個人で中古住宅を売却する際に注意しておきたい事項について紹介しておきます。

直接の価格交渉で合意に難航する

個人売買で難航するのは価格交渉でしょう。客観的に評価する第三者がいないため、当事者同士で直接交渉して妥協点を見つけるのは苦労します。売主としてはもっと高く売れたかもしれないのに、損をしている可能性もありますし、高すぎて買い手が付かないこともあります。
買主からすると売主に主導権があるので不利な価格交渉がされる可能性があります。個人売買は仲介手数料がかからないので、手取りが増えるメリットはあります。一方で売主に知識やノウハウがないと不利な契約をさせられていても気づかない場合もあります。
個人売買でも査定を複数社から受けて、価格の妥当性を示せるようにしておくと交渉がしやすいでしょう。

書類ミスでトラブルが起きやすい

個人売買の場合には売主が売買契約書や重要事項説明書などの書類を手配することになります。作成は司法書士などに任せても、専門的な知識が求められます。特に瑕疵に対する対応や引き渡しの条件などをどうするのか書面に書かれていないと、トラブル時にどちらがどう対処するのかでもめます。
売却後の物件に雨漏りやシロアリ被害などが判明した場合には重要な欠陥がある瑕疵として民法によって瑕疵担保責任が売主に課せられています。通常は引き渡し後3カ月以内の瑕疵について責任を負います。これらも事前に売主は買主に伝えることで免責する条項を契約書に追加することも考えられます。
また、買主がローンを組んで購入を希望する場合には、契約書類等に不備があると住宅ローン審査に落ちることがあります。特に個人売買は審査が通りにくい金融機関もあるので、ローンが組めるかを判断が必要です。

安すぎる売却価格は贈与税の対象になってしまう

元々不動産の個人売買は親族間では行われてきました。そのため、売却価格は相場価格よりも極端に低い金額で設定すると低廉譲渡と見なされて、買主は税務署から贈与税の督促を受ける可能性があります。売主は所得税がかかります。個人間では相場価格の8割程度までは売買として認められています。税額は
税額 = (低廉売却金額-取得価額) × 20%
で求めます。節税などの目的で安く売却する場合には譲渡所得税に代わって贈与税がかかることも理解しておかないといけません。結果として節税にならなかったという場合もあります。詳しくは税理士に相談してどのような金額だと低廉贈与になるのか知っておくことが必要です。

中古住宅の売却でよくある疑問

不動産売却にあたってはちょっとしたことも気になるけど、どう聞いたら良いかわからない、何を聞けば良いかわからないという場面もあります。中古住宅の売却でよくある質問を知ることで、自分が何を気になっているのか気づきに繋がります。ここでは中古住宅の売却でよくある疑問の一部を紹介していきます。
自分で抱えている不安が具体化したり、気づいていなかったポイントを知れたりするので、チェックしておきましょう。

売却できない中古住宅を手放す方法はあるか

物件の立地や築年数などの理由からタダ同然でも売れない中古住宅はあります。しかし、使えない住宅をそのまま空き家にしていても毎年固定資産税はかかりますし、修繕などの維持管理費も発生します。将来的に住む予定も、活用もしないなら手放した方がリスクも減らせます
空き家は犯罪や火災の危険性があるだけでなく、最近では害獣による近隣トラブルの懸念もあります。売却できそうにない中古住宅の相続が発生した場合には、他の遺産との兼ね合いにもよりますが、相続放棄を検討してみましょう。一度相続してしまうと、更に売却するのには苦労が絶えません。
相続放棄は全ての遺産を放棄するため、不動産だけや現金だけといった選択ができないのでよく検討しましょう。次に建築条件で売れない場合には、近隣で購入または譲り受けてくれる人がいないか探しましょう。接道が足りない場合や、再建築ができない住宅は、隣接する土地と合わさることで価値が出てくることがあります。
隣人の資産価値が上がり、自分も住宅を手放せます。市街化調整区域内や近隣に譲渡を受ける人がいなければ、不動産会社に買取を依頼するのも策の1つです。物件の条件にもよりますが、相場の4〜6割程度で不動産会社が買い取ってくれる場合があります。
買い取ってもらえるなら、短期間で現金化できるので、売れないだけでなく、資金が必要ですぐにでも不動産を売却したい場合には、不動産会社の買取も検討してみましょう。

中古住宅は家具を残して売却できるか

まず、買主から家具を残してほしい依頼があれば真摯に対応しましょう。なるべくその場でのやり取りは避け、一度持ち帰って残すもの残さないものを整理して書面にしておくことが大切です。大切な家具を無理に残す必要はありませんが、買い替えても良いものなら買主の希望に沿うと契約がまとまりやすくなります。
一方、売主が勝手に家具を残して売却するのはNGです。契約書にない家具を残したままの場合、買主から処分するように言われれば、売主が処分費用を負担して対応が必要です。買主に相談した上で、買主に処分費用を支払って処分してもらったり、売却価格を値引きするなどして家具を残すことは可能です。
不要な家具や設備がある場合には、事前に営業担当者に伝えて取り扱いを相談しましょう。家具付き物件を売るためのノウハウは不動産会社の方がより多く持っています。売買契約の際には物件状況報告書を付けて、双方で残す家具や設備の内容や状態について確認しておくことがトラブルを避けます。

売却の相談は誰にしたらよいのか

中古住宅を売却する場合にはまずは不動産会社に相談をするのが早いでしょう。ただし、売却をしようか迷っている場合や、相続で不動産以外の遺産も絡んで悩んでいる、不動産売買以外の収入もあって税務処理がわからないなど、不動産売却以外の問題で相談がしたい場合には、それぞれの専門家に相談するのが解決への近道です

相談先相談内容資格の種類
宅地建物取引士不動産の売買に関する相談国家資格
税理士確定申告や税金に関する相談国家資格
弁護士相続や離婚、売買に関するトラブルについて全般的な相談国家資格
司法書士不動産登記や契約書などの手続きや法的な問題についての相談国家資格
ファイナンシャルプランナー(FP)資産運用や資金計画の相談国家資格
不動産鑑定士事業などで所有不動産の鑑定の相談国家資格
土地家屋調査士境界の確定や測量の相談国家資格

まずは不動産売却を考えている場合に不動産会社では宅地建物取引士など有資格者に対応してもらうのが安心です。営業担当者の中には資格を有していない者もいます。はじめての不動産売却で売主がわからないことが多い場合には経験豊かな担当者に付いてもらうのが安心です。
相続が発生した場合の相続税や不動産売却による譲渡所得税、給与以外の所得税など税金に関して税額や控除について詳しく知りたい場合には税理士に相談しましょう。不動産登記の内容や契約書、売却に関する手続きなどでわからないことは司法書士が専門家です。
相続でのトラブルや離婚が絡んだ不動産売却、売却に伴うトラブルを抱えた場合には弁護士にまずは相談してみましょう。不動産売買だけでなく総合的な相談に乗ってくれます。中古住宅を所有するか売却するか悩んでいるならファイナンシャルプランナーに相談すると資産運用や資金計画について相談できます。
土地の境界に問題を抱えているなら土地家屋調査士が測量や境界の確定について相談に乗ってくれます。相談先として不動産鑑定士を見かけることがあるかもしれません。不動産鑑定士は所有する不動産の価値を正確に鑑定して評価額を提示してくれます。
裁判での資産価値の判断や事業などで不動産を担保に借り入れをする場合などに相談します。一般的な個人の不動産売買では関わりはないでしょう。
これらの専門家の得意分野に合わせて相談をするとより詳しい内容がわかり、対策がとれます。突然の相続や離婚、倒産などで何をしたら良いかわからない場合には、住んでいる自治体の役所にある相談窓口に問い合わせてみると良いでしょう。弁護士をはじめさまざまな問題の専門家が初回は無料で相談に乗ってくれることが多いです。

中古住宅の売却は注意点を守りトラブルなく進めよう

中古住宅の売却は売主有利な制度のため、買主保護の観点から、売主にはさまざまな責任を負っています。特に契約不適合責任(瑕疵担保責任)は原状復帰や契約解除などもあるので、不備なく契約を交わすことが必要です。また、確定申告までして売却活動は終了になるので、申告を忘れないように十分準備して望みましょう。
不動産売却の流れの中で、ポイントとなる事項で注意点を守りトラブルのないスムーズな売却を進めましょう。中古住宅の売却にはなによりも良きパートナーとなる不動産会社選びが重要です。複数の不動産会社に査定を依頼して、信頼できる営業担当者と売却活動を進めましょう。
不動産会社選びにはすまいステップの一括査定依頼サイトが便利なので、使ってみるのをおすすめします。

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