不動産売却で所得税はいくら支払う?税金対策のため確定申告をしよう

不動産売却を行うと、所得税などの税金がかかることがあります。売却を行ったからといって、必ずしも課税対象になるとは限りませんが、税金がかかる可能性はあるため、いくらするのかを知っておくことが大切です。

また、不動産売却で発生する所得税は、工夫次第で節税もできます。所得税がいくらかかるのか、どのように節税できるのかを知り、税金についての理解を深めていきましょう。

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不動産売却の利益に所得税

不動産売却で利益が発生した場合は、所得税がかかります。所得税がどれくらいかかるかは、売却の利益から計算できます。所得税の計算方法や税率などを知り、不動産売却の利益にいくら税金がかかるのかを把握しておきましょう。

不動産売却の利益の計算方法

不動産を売却して利益が出たかどうかは、次の式で計算します。

  • 売却価格-不動産の取得費-売却にかかった費用

例えば売却価格が1,000万円だとしても、その金額に所得税がかかるわけではありません。ここから不動産購入費や売却にかかった各種費用を差し引き、最終的にプラスが出た場合に課税対象になると考えましょう。

不動産取得費は不動産の購入費用だけではなく、購入に付随する費用やリフォーム費用なども含まれるため、さまざまな費用を計上できます。

取得費を求めるため減価償却

取得費は不動産の購入価格から、経年劣化による価値の減少分を差し引き、計算しなければなりません。これを減価償却と呼び、取得費は次の式で計算します。

  • 不動産の取得費用×0.9×償却率×経過年数

償却率は構造別に異なります。

建物構造耐用年数償却率
木造モルタル造30年0.034
木造33年0.031
骨格材の肉厚が3mm以下の鉄骨造28年0.036
骨格材の肉厚が3mm超4mm以下の鉄骨造40年0.025
骨格材の肉厚が4mm超の鉄骨造51年0.02
鉄筋コンクリート造70年0.015

上記の償却率で計算すると、減価償却分を差し引いた不動産取得費の算出が可能です。

利益にかかる所得税の税率

不動産売却でかかる所得税は、通常の所得税と復興特別所得税の2つがあります。それぞれの税率は、不動産の所有期間によって異なります。

所有期間所得税(復興特別所得税を含む)
短期譲渡所得30.63%
長期譲渡所得15.315%

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えているものは長期譲渡所得に、5年以下のものは短期譲渡所得となります。所有期間によって税率が変動するため、短期と長期のどちらになるかは売却前に確認しておきましょう。

確定申告をして所得税を納税

不動産を売却した翌年は、確定申告をして所得を決定し、税金を納めます。確定申告は毎年2月16~3月15日までの間に行います。

所得税と復興特別所得税は、確定申告が完了したタイミングで、即時銀行に振り込み納付しますが、口座からの自動引き落としも可能です。口座引き落としの場合は、4月ごろの納付となります。

不動産売却の所得税は確定申告で税金対策

不動産の売却でかかる税金は、確定申告時に特別控除や特例の申請をすることで、節税できる場合があります。

  • マイホームの売却で最大3,000万円の特別控除
  • 売却理由やタイミングで最大5,000万円の特別控除
  • 所有期間が10年超えの不動産で軽減税率の特例
  • 利益のない不動産売却で損益通算

利用できる特別控除や特例を把握して、確定申告によって不動産売却にかかる税金を節税しましょう。

マイホームの売却で最大3,000万円の特別控除

マイホームの売却では、次の条件を満たすことで最大3,000万円の控除を受けられます。

  • 現在主に居住している住宅の売却
  • 取り壊した場合は1年以内に売却
  • 空き家の場合は住まなくなってから3年以内の売却
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 前年や前々年に同じ特例を受けていないこと

複数年で連続して売却する場合は、同じ特例は適用できません。また、更地にしたり、空き家になっていたりする場合でも、一定期間内に売却することで特別控除は適用できます。

売却理由やタイミングで最大5,000万円の特別控除

売却する理由やタイミング次第では、最大5,000万円の特別控除が受けられます。

特別控除控除額適用条件
収用等による売却で5,000万円控除5,000万円

  • 売却した不動産が固定資産
  • 代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていない
  • 買い取りの申し出があった日から6ヶ月以内に売却している
  • 公共事業の施行者から最初に買い取りの申し出を受けた者が譲渡していること(相続者の売却は可)
再開発による売却で2,000万円控除2,000万円
  • 国や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構に売却
  • 土地区画整理事業のために不動産を売却していること
特定住宅地造成事業による売却で1,500万円控除1,500万円
  • 特定住宅造成事業のために売却していること
  • 住宅建設事業のための売却でも可
1,000万円の特別控除1,000万円
  • 2009年1月1日から2010年12月31日までの間に土地等を取得している
  • 2009年に取得した土地等は2015年以降に譲渡
  • 2010年に取得した土地等は2016年以降に譲渡
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 相続や遺贈、贈与や交換、代物弁済および所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと
  • その他特別控除や買い替えの特例を受けていないこと

控除ごとに適用条件は異なるため、どれが適用できるか事前に確認しておきましょう。

所有期間が10年超えの不動産で軽減税率の特例

売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を超えている場合は、軽減税率の特例が適用できます。軽減税率の特例は、所有期間以外に次の条件も満たさなければなりません。

  • 現在主に居住している住宅の売却
  • 売却する不動産の所有期間が10年を超えていること
  • 取り壊した場合は1年以内に売却
  • 空き家の場合は住まなくなってから3年以内の売却
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 前年や前々年に同じ特例を受けていないこと

軽減税率を適用した際の税率は、次の通りです。

売却による利益所得税住民税
6,000万円以下10%4%
6,000万円超15%5%

軽減税率は所得税だけではなく、住民税も軽減対象となります。また、軽減税率の特例は、3,000万円の特別控除との併用が可能です。

利益のない不動産売却で損益通算

不動産売却によって損失が出た場合も、確定申告をすることで節税ができます。損失が出た場合に確定申告をすると、損失を給与所得などと通算して、所得税が下がります。

また、損失が大きく1年で控除ができなかった場合は、売却した年から3年にわたって、繰り越し控除をすることも可能です。売却によって損失が出た場合は確定申告は必須ではありませんが、申告をすることで節税ができることは覚えておきましょう。

不動産売却の所得税をシミュレーション

実際に不動産売却によってどれくらいの所得税がかかるのか、条件を設定してシミュレーションしてみましょう。条件次第で、どれくらいの税金がかかるかは異なります。利益と損失、両方の場合でシミュレーションしておくことで、不動産売却における税金への理解が深められます。

所有期間が10年を超えた家の売却

所有期間が10年を超えた家を売却する際の条件を、次のように設定します。

  • 売却価格:8,000万円
  • 不動産の取得費:1,000万円
  • 売却にかかった費用:500万円
  • 3,000万円の特別控除を適用
  • 軽減税率の特例を適用

上記の条件でシミュレーションをすると、売却価格から不動産の取得費や売却費用を差し引き、利益は6,500万円です。ここからさらに3,000万円の特別控除を差し引くと、売却による利益は3,500万円です。

軽減税率の特例を適用すると、所得税率は復興特別所得税を含めて、合計10.21%になるため、上記の設定での売却でかかる所得税は357万3,500円です。

所有期間が5年以下の土地の売却

所有期間が5年以下の土地の売却では、条件を次のように設定します。

  • 売却価格:2,000万円
  • 不動産の取得費:1,500万円
  • 売却にかかった費用:80万円

上記の条件で計算すると、売却によって得た利益は420万円です。所有期間が5年以下であるため、短期譲渡所得の税率30.63%で計算すると、所得税額は128万6,460円です。

損益通算をした不動産の売却

損益通算を適用した場合の不動産売却条件を、次のように設定します。

  • 売却価格:500万円
  • 不動産の取得費:650万円
  • 売却にかかった費用:50万円

上記の式で計算すると、売却による損失はマイナス200万円です。仮に年収を800万円とすると、損益通算した場合の税務上の年収は600万円です。

年収800万円の所得税は年間45万円であり、年収600万円の所得税は30万円であるため、損益通算することで15万円の節税ができます。

不動産売却で支払う所得税以外の税金

不動産売却では、所得税以外にもさまざまな税金がかかります。

  • 不動産売却の利益に住民税
  • 不動産売却の契約書で印紙税
  • 不動産の名義変更で登録免許税
  • 不動産売却の諸費用に消費税

各種税金がいくらかかるのかを把握し、不動産売却全体で課税される税金について知っていきましょう。

不動産売却の利益に住民税

不動産売却の利益には、所得税だけではなく住民税もかかります。住民税も所得税と同じ方法で利益を計算し、所有期間によって税率は変動します。ただし、所得税と住民税の税率は異なるため、この点には注意しましょう。

所有期間住民税
短期譲渡所得9%
長期譲渡所得5%

所得税と同じで、住民税も所有期間が5年を超える不動産を売却すると、長期譲渡所得となるため、税率は下がります。

不動産売却の契約書で印紙税

不動産を売却する際には売買契約書を作成しますが、この際に印紙税がかかります。印紙税は契約書に貼り付ける収入印紙の費用であり、記載する契約金額が高いほど、印紙税も高額になると考えましょう。

契約金額本則税率軽減税率
10万円を超え50万円以下400円200円
50万円を超え100万円以下1,000円500円
100万円を超え500万円以下2,000円1,000円
500万円を超え1,000万円以下10,000円5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下20,000円10,000円
5,000万円を超え1億円以下60,000円30,000円
1億円を超え5億円以下10万円60,000円
5億円を超え10億円以下20万円16万円
10億円を超え50億円以下40万円32万円
50億円を超えるもの60万円48万円

また、2022年3月31日までの取引では、本則税率ではなく軽減税率が適用されます。

不動産の名義変更で登録免許税

売却によって住宅ローンを完済した場合は、抵当権の抹消が必要です。抵当権の抹消費用は、不動産1件に対して1,000円です。売却する土地と建物の両方に抵当権が設定されている場合は、それぞれ1,000円ずつで合計2,000円の登録免許税がかかります。

不動産売却の諸費用に消費税

不動産売却では、一部のサービスに消費税がかかります。

消費税課税対象消費税非課税
  • 仲介手数料
  • 住宅ローン事務手数料
  • 住宅ローンの返済利息・保証料
  • 火災保険料・生命保険料

不動産売却で利用したサービスのうち、仲介手数料や住宅ローンの事務返済手数料には消費税がかかります。住宅ローンの返済利息や保証料、火災や生命保険料は、消費税は非課税です。

また、課税対象事業者が不動産の売却を行う場合は、建物の売却に消費税がかかりますが、非課税事業者の個人での売却なら土地、建物ともに非課税であると考えましょう。

不動産売却で手元に残る現金を増やすコツ

不動産を売却して、少しでも手元に現金を残すには、次のコツを踏まえて売却活動を行いましょう。

  • 不動産を高額で売却する
  • 不動産売却の諸費用を節約する
  • 不動産の支払い済みのコストを回収

コツを理解して売却に臨むことで、手元により多くの現金を残しやすくなります。

不動産を高額で売却する

不動産を高額で売却すると、利益が増えて所得税や住民税の負担は増えますが、最終的に手元に残る現金は増えます。そのため、少しでも高額で不動産を売却するために、売り方を工夫することが大切です。

高額での売却を目指すには、不動産会社による査定結果を比較し、好条件で売却できる不動産会社を見つけましょう。複数社で査定結果を比較しておくことで、売却の相場価格も把握でき、売り損を回避しやすくなります。

複数社から査定を受けるには、一括査定サイトの利用がおすすめです。一括査定サイトのすまいステップは、物件情報を登録すると、一度に複数社から査定を受けられるため、効率的に各社の提示する条件を比較できます。

不動産売却の諸費用を節約する

不動産売却にかかる各種費用は、工夫次第で節約できます。例えば不動産会社に支払う仲介手数料は、交渉によって減額してもらえることがあります。

また、登記手続きは司法書士に依頼できますが、この場合は登録免許税と別途報酬の支払いが必要です。司法書士への報酬は数万円が多いため、自身で手続きを行うことで、報酬の支払い分を節約できます。

不動産の支払い済みのコストを回収

すでに支払っているコストは、売却時に回収できる場合があります。例えばマンションの管理費や修繕積立金は、買主に交渉することで、日割り計算してコストの回収が可能です。

また、固定資産税や都市計画税など、1年分を一括で支払っているものも、日割り計算して買主に請求できます。火災や地震保険に加入している場合は、解約すると残期分の保険料を返還してもらえます。不動産を売却しても保険は自動で解約されるわけではないため、必ず自身で解約手続きを行いましょう。

不動産売却をするなら所得税は税金対策をして抑えよう

不動産売却時には、所得税だけではなくさまざまな税金やコストがかかります。そのため、少しでも利益を残すには、節税対策をしたり、売却費用の節約を考えたりすることが大切です。

工夫次第で、不動産売却にかかる税金やコストは削減できます。節税対策やコスト削減の方法を理解して、お得に不動産の売却を行いましょう。

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