相続した不動産の売却で確定申告は必要?損をしない税金対策まで解説

相続した不動産を売却する際には、確定申告が必要になる場合があります。確定申告をしなければならないかどうかは、売却の結果によって異なります。

不動産売却を成功させるには、売却後の確定申告についての理解を深めておくことが大切です。確定申告の必要性や税金対策を行い、相続後の不動産売却を成功させましょう。

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確定申告は不動産売却の利益で判断

相続した不動産の売却後に確定申告が必要かどうかは、売却による利益で判断します。利益の有無は計算することができるため、売却後は自身で調べておく必要があります。利益の判断方法や確定申告についての基礎知識を把握して、申告に役立てましょう。

相続した不動産の売却の利益とは

相続した不動産の売却で利益が出ているかどうかは、次の式で計算します。

  • 売却価格-譲渡費用-不動産の取得費

上記の式で計算し、プラスが出た場合は売却による利益が出ていると考えましょう。

相続した不動産の譲渡費用の内訳

相続した不動産の売却にかかる譲渡費用の内訳は、次の通りです。

  • 土地や建物を売るために支払った仲介手数料
  • 登記または登録にかかった費用
  • 売主が負担した印紙税
  • 借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払った立退料
  • 更地にして売却するためにかかった解体費用や建物の損失額
  • 測量にかかった費用
  • 既に締結されている土地などの契約を解除し、他の人に売却するために最初の契約者に支払った違約金
  • 借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料
  • その他その資産の譲渡価額を増加させるためその資産の維持や管理のためにかかった費用

仲介手数料は、売買契約を締結した際に半額を、引き渡しの際に残りの半分を不動産会社に支払います。売却に伴い、抵当権の抹消など登記手続きが必要なら、手続きの際に登録免許税を支払わなければなりません。

契約書の作成時には収入印紙の貼り付けが必要であり、この費用が印紙税です。基本的にはこれら3点が譲渡費用ですが、その他立ち退きを求める場合や解体をする場合、測量をするなど別途作業が必要になる際には、都度費用が発生します。

相続した不動産の取得費の内訳

相続した不動産の取得費の内訳は、次の通りです。

  • 売却した土地や建物の購入代金
  • 建築代金
  • 購入手数料のほか設備費や改良費
  • 土地や建物を取得したときに納めた登録免許税や不動産取得税、特別土地保有税や印紙税
  • 借主を立ち退かせるために支払った立退料
  • 土地の埋立てや土盛り、地ならしをするために支払った造成費用
  • 土地の取得時に支払った土地の測量費
  • 所有権などを確保するためにかかった訴訟費用
  • 当初から土地の利用が目的であったと認められる場合の建物の購入代金や解体費用
  • 土地や建物を購入するために借り入れた資金の利子のうち、その土地や建物を実際に使用開始する日までの期間に対応する部分の利子
  • 既に締結されている土地などの購入契約を解除し、他の物件を取得した場合に支払う違約金

土地や建物の購入代金はもちろん、建築代金や設備投資にかかった金額、その他支払った税金などは取得費に含めることができます。その他土地の造成や測量、建物の解体など各種費用も、不動産の取得費として計上可能です。

利益が20万円を超えると確定申告が必要

給与所得以外に収入がない状態で不動産を売却した場合は、利益が20万円を超えると確定申告が必要です。また、売却による利益が20万円以下でも、雑所得がある場合は、これと合計して20万円を超えるなら、確定申告をしなければなりません。

必要な確定申告をしないと罰則

不動産売却によって利益が出ているのに確定申告をしていないと、罰則があります。納付期限を超過すると延滞税がかかり、納付期限から2ヶ月は約7%が、それ以降は約14%が本来の税率に上乗せされます。

また、申告をしていないと無申告加算税もかかり、50万円までの部分には15%が、それ以上の部分は20%の税率が上乗せされるため、税負担が大きくなってしまう点には注意が必要です。

相続不動産の売却利益にかかる税金の計算方法

不動産売却によって利益が発生している場合は、所得税と復興特別所得税、住民税の3つが課税されます。それぞれの税率がいくらなのかを知っておくことで、課税される税金額を計算できます。また、所得税と住民税は、売却する不動産の所有期間によって税率が変動することも覚えておきましょう。

相続不動産の売却利益にかかる所得税

売却した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えるものは長期譲渡所得に、5年以下のものは短期譲渡所得になり、税率は変動します。長期譲渡所得の所得税率は15%、短期譲渡所得の税率は30%です。

仮に売却価格が2,000万円、取得費が1,500万円、譲渡費用が400万円だとすると100万円の利益に所得税がかかります。長期譲渡所得の場合は15万円、短期譲渡所得は30万円が所得税額です。

相続不動産の売却利益にかかる住民税

所得税と同じで、住民税も長期譲渡所得と短期譲渡所得のどちらになるかによって、税率は異なります。住民税の長期譲渡所得は5%、短期譲渡所得は9%で税額を計算します。

売却価格を1,000万円、不動産の取得費を500万円、譲渡費用を100万円とすると、売却による利益は400万円です。長期譲渡所得なら20万円、短期譲渡所得なら36万円が納付する住民税の金額となります。

相続不動産の売却利益にかかる復興特別所得税

復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源を集めるために創設された税金です。売却した不動産の所有期間に関係なく税率は2.1%ですが、売却利益そのものに課税されるわけではなく、所得税額に課税される点がポイントです。

例えば売却価格が2,000万円、取得費が1,500万円、譲渡費用が400万円の場合は、長期譲渡所得は15万円、短期譲渡所得は30万円が所得税額です。復興特別所得税はこれらに2.1%をかけるため、長期譲渡所得なら3,150円、短期譲渡所得なら6,300円が納付する金額です。

相続不動産の売却で使える確定申告による税金対策

相続した不動産を売却した際には確定申告時に特別控除や特例を適用することで、節税ができます。

  • 特別控除を適用して利益を少なくする
  • 取得費加算の特例で相続税を無駄にしない
  • 損益通算と繰越控除で利益なしでも節税をする

税金対策についての理解を深め、少しでも税負担を抑えてお得に不動産を売却しましょう。

特別控除を適用して利益を少なくする

売却後は確定申告時に特別控除の申請をすることで、売却利益を少なく計上し、節税が行えます。不動産売却による特別控除の例は、次の通りです。

特別控除控除額適用条件
3,000万円の特別控除3,000万円
  • 現在主に居住している住宅の売却
  • 取り壊した場合は1年以内に売却
  • 空き家の場合は住まなくなってから3年以内の売却
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 前年や前々年に同じ特例を受けていないこと
1,000万円の特別控除1,000万円
  • 2009年1月1日から2010年12月31日までの間に土地等を取得している
  • 2009年に取得した土地等は2015年以降に譲渡
  • 2010年に取得した土地等は2016年以降に譲渡
  • 家族など特別な関係の人への売却ではないこと
  • 相続や遺贈、贈与や交換、代物弁済および所有権移転外リース取引により取得した土地等ではないこと
  • その他特別控除や買い替えの特例を受けていないこと
収用等による売却で5,000万円控除5,000万円
  • 売却した不動産が固定資産
  • 代替資産を取得した場合の課税の特例を受けていない
  • 買い取りの申し出があった日から6ヶ月以内に売却している
  • 公共事業の施行者から最初に買い取りの申し出を受けた者が譲渡していること(相続者の売却は可)
再開発による売却で2,000万円控除2,000万円
  • 国や地方公共団体、独立行政法人都市再生機構に売却
  • 土地区画整理事業のために不動産を売却していること
特定住宅地造成事業による売却で1,500万円控除1,500万円
  • 特定住宅地造成事業のために売却していること
  • 住宅建設事業のための売却でも可
農地を地域の担い手に売却して800万円控除800万円
  • 農地を売却すること
  • 農業委員会のあっせんなどにより農地を地域の担い手に売ること

適用できる特別控除があるなら、確定申告時に申請して、節税をしましょう。

取得費加算の特例で相続税を無駄にしない

相続時に相続税を支払った不動産を売却する場合は、取得費加算の特例を適用することで、納付した相続税の一部を費用に計上できます。適用条件は、次の通りです。

  • 相続や遺贈により財産を取得していること
  • その財産を取得した人に相続税が課税されている
  • 相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以降3年までに譲渡している

相続した不動産を売却するだけではなく、相続してから3年以内という期限の条件があることは理解しておきましょう。取得費加算の計算式は、次の通りです。

  • 対象者の相続税額×{対象者の相続税課税価格の計算の基礎となった不動産価額の合計÷(対象者の相続税課税価格+対象者の債務控除額)}

計算式は複雑ですが、正しく計上することで利益を少なくできるため、節税ができます。

損益通算と繰越控除で利益なしでも節税をする

不動産の売却によって損失が出ている場合は、確定申告をすることで損益通算をし、給与所得を差し引くことができます。例えば不動産売却による損失が200万円、年収が800万円なら、損益通算によって年収が600万円となるため、節税が可能です。損益通算の適用条件は、次の通りです。

  • 売却によって損失が出ていること
  • 居住用の不動産を売却していること

また、売却による損失が大きく、控除しきれない場合は、売却した翌年から3年にわたって繰越控除を受けられます。

相続した不動産売却の確定申告の基本

確定申告をスムーズに行うには、手続きに関する基本を知っておくことが大切です。確定申告を行うタイミングや必要書類、作成した申告書の提出方法など、知っておくべきことは多数あります。確定申告の基本を把握し、相続した不動産を売却した後の手続きをスムーズに行いましょう。

確定申告をするタイミングは不動産売却の翌年

確定申告は、不動産を売却した翌年に行います。確定申告の期限は2月16日~3月15日ですが、土日の関係で多少変動することがあります。また、2021年では新型コロナウイルスの影響によって申告期限が1ヶ月延長されており、特別な事情によっては期間が変動することもあると考えましょう。

確定申告の詳細な日程は国税庁から発表されているため、国税庁のホームページから確認しておくことがおすすめです。

相続不動産の売却の確定申告で必要な書類

相続不動産を売却した際の確定申告では、次の書類が必要です。

  • 確定申告書B様式(譲渡所得がある場合)
  • 確定申告書第三表(分離課税用の申告書)
  • 譲渡所得の内訳書
  • 不動産売却時の売買契約書(写し)
  • 仲介の手数料等の領収書(写し)
  • 売却した不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • 源泉徴収票
  • マイナンバーカード

申告書や譲渡所得の内訳書は、税務署の窓口で受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードできます。売買契約書や領収書などは、売却時に取得しているものを用意しておきましょう。

登記簿謄本は法務局にて取得可能です。確定申告の際には源泉徴収票やマイナンバーカードなども必要であるため、これらも事前に揃えておきましょう。

作成した確定申告書を提出する方法

確定申告書の提出方法は、次の3つがあげられます。

  • 税務署への持ち込み
  • 郵送
  • e-Tax

作成した申告書類は、税務署に持ち込み、窓口にて提出できます。また、申告書は税務署に郵送することでも、提出可能です。

電子申告のe-Taxの場合は、紙媒体で申告書を作成する必要はありません。ネット上で必要な情報を登録すると申告が可能であり、24時間いつでも提出できます。

【Q&A】相続不動産の売却による確定申告

確定申告をスムーズに行うには、よくある疑問を解消しておくことが大切です。

  • 確定申告の必要がなくても税務署から通知が届くのか
  • 確定申告の相談はどこにしたらよいか
  • どうしたら相続した不動産を高く売却できるか

確定申告や売却に関する疑問を解消し、不安なく不動産売却を行いましょう。

確定申告の必要がなくても税務署から通知が届くのか

不動産を売却すると登記情報の変更があり、これをもとに税務署から通知が届きます。これは確定申告の必要性の有無に関係なく、不動産売却を行った全員に通知が来ると考えましょう。

届いた通知には回答しておくことが大切であり、無回答だと税務調査の対象となることがあります。確定申告を正しく行う、あるいは非課税で申告の必要がないなら無回答でも問題はありませんが、基本的には通知には回答しておくことがおすすめです。

確定申告の相談はどこにしたらよいか

確定申告についての相談は、税務署や税理士に依頼しましょう。確定申告の相談だけなら無料でできるため、不明点は聞いておくことが大切です。

もし税理士に確定申告の手続きを依頼する場合は、報酬の支払いが必要です。確定申告を失敗なく行うには税理士に依頼することがおすすめですが、費用を削減したいなら自身で行いましょう。

どうしたら相続した不動産を高く売却できるか

相続した不動産を高値で売却するには、一括査定を利用して適切な相場価格を把握しておくことが大切です。相場を知っておくことで、いくらで売れるのかの目安が持てるだけではなく、適切な金額で売り出せるため、好条件での売却がしやすくなります。

一括査定サイトのすまいステップは、物件情報を登録すると、一度に複数社から査定を受けられます。各社の査定結果を比較して相場価格を把握することはもちろん、信頼できる不動産会社に売却を依頼することで、高額売却を実現しやすくなるでしょう。

確定申告をして相続不動産の売却で損をしない

相続した不動産の売却で損をしないためには、ミスなく確定申告をすることが大切です。確定申告をすることで税金のペナルティが発生しないだけではなく、特別控除や特例を申請して、節税ができる場合もあります。

売却による利益を残すには、確定申告によって税金対策をしておくことが大切です。確定申告を正確に行い、税負担を抑えて、損のない不動産売却を実現しましょう。

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