借地借家法を基本からわかりやすく解説!賃貸経営で失敗をしない

賃貸経営を行うなら、賃貸に関する法律の借地借家法への理解を深めておくことが大切です。借地借家法とはどのような法律なのか、基本部分から理解を深めておくことで、賃貸経営をスムーズに進めやすくなります。

経営や法律に関する知識が身についていないと、賃貸経営は失敗する可能性が高いです。失敗のリスクを回避するためにも、借地借家法を詳しく知っていきましょう。

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借地借家法とは

借地借家法は賃貸物件に関する法律であり、民法の一部として1991年に公布されました。2021年以前では、2020年に法改正が行われています。

借地借家法は、貸主と借主の両方を保護することを目的にしており、賃貸契約におけるトラブルを回避するためのものです。

借地借家法の主な4つの決まり

借地借家法は、次の4つの決まりによって構成されています。

  • 建物を建てる前提の借地権
  • 期間を定めた定期借地権
  • 有償の建物賃貸借契約
  • 期間を定めた定期建物賃貸借

基本的な4つの部分から、どのような法律なのかを知っていきましょう。

建物を建てる前提の借地権

土地の上に建物を建てて貸し出すことを全体にしたものが、普通借地権です。普通借地権の存続期間は30年であり、借主からの申し出で契約の更新が可能です。普通借地権の更新は1回目が20年、2回目以降は10年となります。

普通借地権は長期間貸し出すことができるため、長く賃貸経営をする際にはメリットとなります。ただし、借主が更新を申し出ると、借主側の過失など正当な理由がなければ貸主は更新を拒否することができません。

そのため、賃貸経営を終え、売却や自身での居住を考えた際に、借主の意思次第では自由に不動産を扱えなくなることはデメリットです。

期間を定めた定期借地権

借地権の中でも、貸し出す期間を明確に定めたものが、定期借地権です。定期借地権では普通借地権と同様に、一戸建てやマンションなどの、住宅用の土地として貸し出すことができます。契約期間は50年以上と長いですが、契約更新はありません。

また、契約満了時には更地にして貸主に返還されることも、定期借地権の特徴です。期間を定めて貸し出すことができるため、一定期間のみ賃貸経営をしたい場合は、定期借地権がおすすめです。

デメリットとしては、契約期間が決まっていることで、普通借地権よりも借主を見つけづらくなることがあげられます。契約期間が長期間であることもデメリットであり、短期間での貸し出しができないこともデメリットとして覚えておきましょう。

有償の建物賃貸借契約

建物を対象とした有償の建物賃貸借契約は、居住用のマンションや事業用のオフィスビルの契約で用いられます。賃貸借の期限は特に決まっていませんが、1年以上とすることが決まりです。1年未満で定めた場合は、期間の定めがないものとなるため、注意しなければなりません。

借主の申し出によって契約の更新は可能であり、正当な理由があった場合のみ更新の拒絶が可能です。更新の拒絶ができる要件は、次の通りです。

  • 賃貸人の建物使用を必要とする事情
  • 賃借人の建物使用を必要とする事情
  • 従前の経過
  • 建物の利用状況
  • 建物の現況
  • 立退料の申し出

上記の事情を考慮して、拒絶可能と判断された場合のみ、貸主は借主の更新を断ることができます。

期間を定めた定期建物賃貸借

契約期間を定めて建物を貸し出す契約が、定期建物賃貸借です。定期建物賃貸借では契約期間の制限がないため、貸主が賃貸期間を自由に設定できます。また、契約更新がないため、期間満了時に借主は退去することになります。

契約期間の定めがないことや、更新なしで契約を終了できる点が定期建物賃貸借の特徴であり、一定期間のみ建物を貸し出したい人に向いている契約方法です。

借地借家法を守った賃貸経営のポイント

賃貸経営を成功させるには、借地借家法を正しく理解し、法律を守って経営をすることが大切です。

  • 賃貸契約書に貸し出す条件を記載
  • 更新は利用者と合意
  • 業務を管理会社へ委託

上記のポイントを踏まえて、借地借家法を守った賃貸経営を行いましょう。

賃貸契約書に貸し出す条件を記載

賃貸借契約書を作成する際には、貸し出すための条件を細かく記載しておくことが大切です。契約書には、次の項目を記載しておきましょう。

  • 不動産情報の表示
  • 建物と部屋の設備
  • 契約期間
  • 賃料の金額・支払い方法
  • 貸主と管理業者の詳細
  • 第4条(賃料)の計算方法
  • 第8条(禁止または制限される行為)の取り決め
  • 第11条(乙からの解約)の取り決め
  • 第14条(明渡し時の原状回復)の取り決め

不動産の詳細な情報はもちろん、契約期間や賃料、支払方法などは記載が必須です。また、貸主と建物を管理する業者の詳細についても記載しておかなければなりません。

賃料は金額を記載するだけではなく、計算方法も記しておくことが大切です。契約において禁止や制限される行為や解約時の取り決め、退去後明け渡す際の原状回復についてなど、賃貸借契約書には記載すべき項目が多数あります。

更新は利用者と合意

契約を更新する場合は、必ず利用者からの合意を取ってから行いましょう。契約の更新には合意更新と法定更新の2つがあり、円満に賃貸を続けるには合意更新を行うことが大切です。

合意更新は借主からの申し出を受け入れ、借主と貸主の双方が合意することで契約を更新するものです。対して法定更新は、一定期間内に貸主から更新拒絶の通知がなく、自動的に契約を更新することを指します。

貸主が契約更新を拒絶するには、契約期間満了の6ヶ月から1年前に更新の拒絶を借主に通知しなければなりません。また、正当な理由がなければ更新の拒絶は認められないため、この点も覚えておきましょう。

法定更新は借主を守るためのものであり、直近で立ち退きを求めても、更新が拒絶できないことは理解しておく必要があります。

業務を管理会社へ委託

賃貸経営を個人で行うには手間がかかり、法律を守って経営を続けるのは難易度が高いです。そのため、経営業務は管理会社に委託し、専門業者に入居者の契約や対応をしてもらうことがおすすめです。

管理会社に委託することで、法律にもとづいて入居者の対応をしてくれるため、賃貸経営をスムーズかつ安全に行うことができます。管理会社に委託手数料を支払わなければなりませんが、管理の手間を省いて賃貸経営ができる点は大きなメリットです。

借地借家法の5つの注意点

賃貸経営をする際には、借地借家法についての5つの注意点を理解しておくことも大切です。

  • 物件によっては不利な旧の借地法が適用
  • 利用者からの賃料の値下げ交渉
  • 土地の利用目的によって借地借家法の適用外
  • 更新のない契約でも終了の通知は必要
  • 立ち退きは正当な理由がないと立ち退き料

細かい注意点を把握しておくことで、より失敗なく賃貸経営を行いやすくなります。

物件によっては不利な旧借地法が適用

1992年の8月以前に貸し出されていた物件は、旧借地法が適用されている場合があります。旧借地法では契約期限が決められているものの、借主が更新を求めると半永久的に土地を借りることができます。

また、契約の存続期間をきめなかった場合は、木造で30年、鉄骨造や鉄筋コンクリート造で60年と契約期間は長期です。旧借地法では契約更新の拒絶をすることが難しく、貸主の立場が弱く新法よりも不利になっています。

そのため、旧借地権で契約し続けると、貸した土地がなかなか戻ってこないなどのデメリットがあるため、旧法で契約している場合は注意が必要です。

契約更新のタイミングで、旧法から新法へ切り替えはできます。貸主が不利にならないためにも可能なタイミングで新法の契約に切り替えておきましょう。

利用者からの賃料の値下げ交渉

借主は貸主に対して、賃料の値下げ交渉ができます。借主は交渉の権利を持っていますが、交渉されたからといって、必ずしも値下げをしなければならないわけではありません。賃料の値下げ交渉をされる要因としては、次のものがあげられます。

  • 周辺相場との賃料の乖離
  • 経年劣化による物件価値の下落
  • 住宅設備の劣化や故障

周辺の賃貸物件の家賃相場から乖離していたり、経年劣化によって物件や設備に故障、不備がある場合は、家賃の値下げ交渉の対象となりやすいです。

また、管理会社に一括借り上げを委託して賃貸経営をしてもらうサブリース契約でも、値下げ交渉をされることがあります。

家賃を値下げすると、賃貸経営による利益が減ってしまいます。そのため、損をしないように家賃は適切な金額で設定し、物件価値が下がらないように建物のメンテナンスや補修をしておきましょう。

土地の利用目的によって借地借家法の適用外

借地借家法は居住用や事業用の建物の賃貸で適用される法律です。そのため、建物を建てない駐車場経営や、資材置き場としての使用のために土地を貸すと、借地借家法は適用されません。

借地借家法の適用がない場合は、契約期間の下限はないものの、上限は20年となります。また、更新の有無を決めることができ、契約満了で土地を返還してほしいなら、更新はしないでおきましょう。

契約期間を終了しても借主が土地を使用し続け、貸主が異議を唱えない場合は、自動的に契約が更新されます。契約期間は、以前のものと同じです。

更新のない契約でも終了の通知は必要

定期借地権など、更新のない契約でも、契約終了期間は契約満了の6ヶ月から1年前までに通知しておかなければなりません。事前に契約の更新を通知していないと、借主に対抗できなくなり、場合によっては契約が続行となることもあるため注意が必要です。

立ち退きは正当な理由がないと立ち退き料

貸主は借主に対して立ち退きを求めることができますが、これは正当な理由があった場合です。正当な理由なく立ち退きを求める場合は、借主に立ち退き料を支払わなければなりません。正当な理由とは、次のものを指します。

  • 借地人側に地代の滞納などの契約違反があって契約を解除できる
  • 定期借地契約・一時使用目的の借地権・建物譲渡特約付借地契約の場合
  • 建物を建てることを目的としない借地契約の場合

正当な理由なく立ち退きを求める場合は立ち退き料を支払いますが、これは家賃の6ヶ月程度が相場です。立ち退き後に借主が生活に困窮しないために、ある程度まとまった金額を渡さなければならないことは理解しておきましょう。

借地借家法で契約中の賃貸物件を売却する方法

借地借家法で賃貸経営をしている場合でも、契約中の賃貸物件を売却することは可能です。売却するケースとしては、賃貸物件を空室にしてから売る場合と、入居者がいる状態で売却する場合の2つがあります。それぞれでの売却の方法を知り、賃貸物件の上手な売り方を知っておきましょう。

空室にしてから売却する場合

賃貸物件を空室にしてから売却する手順は、次の通りです。

  1. 入居者に立ち退きの通知をする
  2. 必要な場合は立ち退き料を支払う
  3. 不動産会社による査定を受ける
  4. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
  5. 売却活動を開始する
  6. 購入希望者と売買契約を結ぶ
  7. 決済と引き渡しを行う

入居者がいる状態から空室にするには、立ち退きをしてもらう必要があります。そのため、入居者には売却の6ヶ月から1年前など早めに通知しておき、退去してもらえるよう交渉しておきましょう。

もし退去の合意が得られない場合は、立ち退き料を支払って退去してもらうことになります。空室状態になったなら、査定を受け、不動産会社と媒介契約を結んで売却活動を開始します。

購入希望者が見つかったなら内覧対応を行い、条件の交渉をして売買契約を締結しましょう。その後契約書で定めた内容に従って決済、引き渡しを行って売却は完了です。

入居者がいる状態で売却する場合

入居者への立ち退きを求めず、入居者がいる状態で売却する場合は、そのまま賃貸物件を売り出します。賃貸物件はオーナーが変わったとしても、入居者は変わらず住み続けることができます。

ただし、売却によってオーナーが変更になる場合は、所有者変更の旨を入居者に通知しておくことが大切です。入居者に通知を行ったなら売却活動を開始し、購入希望者を探して売買契約を締結します。

売却の手順は変わりませんが、空室状態にする場合とは入居者への対応が異なることは理解しておきましょう。

高額売却のため相場は一括査定で調査

賃貸物件を高額で売却するためには、適切な相場価格を把握しておくことが大切です。相場を理解しておくことで、どれくらいの価格で売るなら損をしないかがわかります。売却相場は一括査定を利用し、複数の不動産会社からの査定結果を比較することで調査できます。

一括査定のすまいステップなら、物件情報を登録することで、一度に複数社から査定を受けられる点が魅力です。提携している不動産会社は優良業者が多いため、信頼できる不動産会社を探したい人にもおすすめです。

借地借家法を守って賃貸経営をしよう

賃貸経営をするなら、借地借家法を正しく守ることが大切です。借地借家法を守っていないと、入居者の不満がたまってしまい、賃貸経営で失敗する可能性があります。

また、貸主優位な条件で賃貸経営を進めることはできないため、借地借家法によって貸主と借主の権利が、どのように定められているのかも知っておくことが大切です。借地借家法を正しく理解し、失敗のないように賃貸経営を行いましょう。

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