家は売却?賃貸?選ぶ時のポイント・メリットデメリットまで解説

マンションでも一戸建てでも持ち家を購入した後で、せっかく購入した持ち家から、遠方への転勤や転職などで引っ越しせざるを得なくなってしまうことがあります。また、遠方の実家を相続することもあります。

家は誰も住まないと、内部に湿気がこもり築浅の家でも傷んでしまいます。そこで、購入した持ち家や相続した家に自分が住み続けることができない場合には、家を賃貸に出すか売却に出すのが理想的です。

しかし、売却と賃貸のどちらを選ぶべきなのか、決められないという方も多いものです。売却と賃貸のどちらがいいのかは、その人の状況に応じて変わります。この記事では、売却と賃貸を選んだ方がいい状況とはどういったものか、売却と賃貸にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、それぞれ詳しく解説します。持ち家からの引っ越しを予定している方必見です。

リナビス
リナビス

あなたの家の適正価格が分かる
【完全無料】 一括査定

リナビス
step1
リナビス
step2
完全
無料
診断スタート

家を売却・賃貸 選び方のポイント

持ち家があるのに遠方へ引っ越しせざるを得なくなったり、遠方にある住む予定のない実家を相続したりしたときには、家を売却するのか、賃貸に出すのか、どちらを選ぶべきなのか、選び方のポイントについて解説します。

自分自身の状況

自分が所有している家を売却するのか、賃貸に出すのかは、あなた自身の状況によってどちらを選ぶべきなのかが変わります。あなた自身の状況で考えるべき点は次の3つのポイントです。

  • 将来的に再びその家に戻る予定があるのかないのか
  • まとまった多額の現金が今すぐ必要か
  • 転勤であれば単身赴任が可能か

それぞれ詳しく解説します。

将来的に再びその家に戻る予定があるのかないのか

将来的にその家に戻る予定がある場合には、賃貸一択です。いったん売却して他の人の名義になった家を、自分の都合だけで買い戻すことはほぼ不可能です。戻る予定がはっきりと決まっている場合には、確実に借り主に期限を切って退去を求めることができる定期借家契約で貸し出すことで、自分が戻るタイミングで退去してもらえます。

まとまった多額の現金が今すぐ必要か

家を売却すれば、仲介手数料や税金などの経費はかかりますが、ある程度のまとまった多額の現金が手元に残ります。賃貸に出した場合には、借り手が付けば毎月決まった金額の家賃が継続的に入金されますが、売却ほど多額のまとまった金額にはなりません。

何らかの理由でまとまった金額が必要な場合には、賃貸よりも売却に出した方が一度に高額の現金を手に入れられます

転勤であれば単身赴任が可能か

あらかじめ転勤する可能性がわかった上で家を購入した場合には、転勤後のライフプランも十分に考えた上で購入することでしょう。しかし、家の購入後に予定になかった転勤を命じられた場合には、持ち家をどうするのかかなり難しい問題になります。

その場合には、転勤先へ家族を連れて行く必要があるのか、単身赴任はできないのかも検討してみましょう。2拠点生活にはなってしまいますが、家族には家に引き続き住んでもらい、自分は単身赴任するという選択肢も考えられます。

家の条件

賃貸に出しても家の条件や状態によっては借り手がなかなか付かないこともあります。家を購入するということはファミリータイプの家でしょう。まずは、その地域にファミリータイプの家の賃貸需要があるのかどうかを検討しましょう。ファミリータイプの賃貸需要がない地域では、なかなか借り手が付きにくい場合もあります。

賃貸需要のある地域でも、家の状態によってはなかなか借り手が付きにくい場合もあります。築年数がたち老朽化した家や、家が広すぎる場合には管理が大変なので賃貸に出してもなかなか借り手が付きません。

家を売却する場合のメリットとデメリット

家を売却するのでも、家を賃貸に出すのでも、どちらにもメリットもあればデメリットもあります。どちらを選んでもいい場合には、メリットとデメリットをしっかりと考えた上で決めることが大切です。ここからは、売却と賃貸のそれぞれのメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。まずは、売却する場合についてお伝えします。

メリット

家を売却する場合のメリットです。

まとまった現金を手にできる

家を売却すると売却したお金が手元に入ってきます。特に築浅の物件であれば、かなり高額で売却できます。

住宅ローンの残債よりも高額で売却できた場合には、売却したお金でローンの一括返済ができます。住宅ローンの借り入れがなかったり、残債を一括返済してもまだかなりの額が残る場合には、新しい家の購入代金に充てることも可能です。

家を管理する必要がなくなる

家を売却してしまえば、自分でその家を管理し続ける必要がなくなります。万が一、売却後の家に何らかの不具合があれば契約者不適合責任(以前の瑕疵担保責任)は問われますが、売却前に気をつけてしっかり修繕しておけば問題ありません。

売却して所有者が変われば、家の修繕費用や固定資産税、都市計画税の支払い義務からも解放されます。家の維持管理に気を遣いたくない場合には、売却した方が大きなメリットを得られます。

税金の優遇措置を受けられる

自宅を売却した場合には、税金の優遇措置を受けることができます。売却価格から売却にかかった手数料と購入費用である取得費を差し引いた残金がプラスになる場合には、5年を超えた所有の場合には20.315%の、5年以下の所有の場合には39.63%の譲渡所得税が課税されます。

しかし、自宅を売却した場合には3,000万円の譲渡所得まで控除される「マイホームを売ったときの特例」や、10年を超えて所有した物件の譲渡所得税率が優遇される特例、次のマイホームの売却時まで譲渡所得税の課税を繰り延べできる買換特例などを利用できます。

価格下落リスクの不安がなくなる

マンションであっても一戸建てであっても、建物は経年劣化していきます。土地の大幅な値上がりによって資産価値が大幅に上がる中古物件もまれにありますが、ほとんどの物件は年数がたつにつれて価値が下落していきます

新築時と比較すると、マンションであれば築5年で9割に、築10年では7割ほどになってしまいます。一戸建ての方が価値の下落が激しく、築10年足らずで半額に、築15年では2割ほどになってしまいます。

将来的に住むかどうかわからない家を維持し続けるのであれば、築年数がたっていない時期に売却してしまった方が高額で売却できます。早めに売却した方が、物件の価格下落のリスクも避けられます。

デメリット

売却することのデメリットを見ていきましょう。

再び住むことができない

売却して、所有者の名義が変わってしまったら、その家に再び住むためには買い戻すしかありません。自分が買い戻したいタイミングで、購入した人が売りに出す可能性は極めて低いでしょう。売却してしまった家に再び住むことはほぼ不可能だと考えて間違いありません。

もしも、その地域に戻ってくることになったとしても、売却した家とは違う家を見つけて住むしかなくなります。遠方へ引っ越したとしても、戻ってくる可能性があり、再びその家に住みたい気持ちがあるのなら、賃貸に出すことを検討した方がいいでしょう。

諸費用がかかる

売却すると、売却したお金が自分のところに入ってきます。しかし、売却金額の全額が自分の手元に残るわけではありません。売却にはさまざまな費用や税金がかかります

家を売却した時にかかる主な費用は次の表の通りです。

必要な費用金額・税率
仲介手数料

400万円以上の物件なら売却価格の3%+6万円+消費税

印紙税売買契約書に記載する金額によって200円から48万円まで
抵当権抹消登記費用登録免許税が物件1件につき1,000円

司法書士への報酬が2万円程度

繰り上げ返済

事務手数料

1万円~3万円程度。金融機関によって違う
譲渡所得税5年以下の所有で39.63%

5年超の所有で20.315%

仲介手数料は売却を成功させた不動産会社へ支払う成功報酬です。法律によって上限金額が上記のように定められています。

印紙税は、売買契約書へ収入印紙を貼り付けることで納税します。契約書の金額によって変わります。1,000万円以下の場合には1万円(軽減税率5,000円)、5,000万円以下の場合には2万円(軽減税率1万円)です。

売却したお金で住宅ローンを一括返済する場合には、金融機関に抵当権を外してもらう抵当権抹消登記が必要です。法務局への登録免許税は物件ごとです。建物と土地の2件の場合には2,000円かかります。司法書士へ依頼する場合には報酬も必要です。繰り上げ返済するための事務手数料も金融機関へ支払います。

売却して利益が出た場合には譲渡所得税も課税されます。

売れる時期がわからない

家を売却する方法には、不動産会社に仲介を依頼して買手を探してもらう方法と、不動産会社に直接買取してもらう方法があります。家をより高額で売却するためには、仲介で売却した方がいいのですが、仲介ではいつ買手が見つかるかわかりません

仲介での売却には最低でも3ヶ月程度、一般的には半年程度、時間がかかる場合には1年以上かかることも珍しくありません。また、家の条件などによっては買手が付かないこともあります。

何らかの理由で売却したいと思っても、自分が売却したいタイミングで都合良く買手が現れるかどうかがわからずに、売却できるまでにかなり時間がかかることも珍しくありません。

どうしても売却を急ぐ場合には不動産会社による直接買取を依頼してみてもいいでしょう。直接買取なら最短で1週間ほど、時間がかかっても1ヶ月ほどで売却できます。

しかし、不動産会社による直接買取では、仲介による売却の7割から8割程度の価格になってしまいます。その理由は、不動産会社が買い取った家をリフォームなどしてから売却するためです。

不動産会社がリフォーム代と不動産会社の利益を出すために、市場価格の7割程度の価格でしか直接買取はしてもらえません。また、家の状態や条件によっては不動産会社にも買取してもらえないこともあります。

家を賃貸にする場合のメリットとデメリット

自分が住まなくなった家を売却せずに賃貸に出す場合にも、メリットとデメリットがあります。賃貸に出す場合のメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

メリット

所有していた家を賃貸に出す場合のメリットです。

毎月家賃が得られる

所有していた家に借り主が見つかれば、毎月、一定額の家賃収入を得られます。売却した場合に比べると、一度に入ってくる金額はかなり少ないのですが、家賃をしっかりと支払ってくれる借り主さえいれば、毎月継続的に一定額の収入が見込めるのは経済的には大きなメリットです。

通常は、2年契約で貸し出すことが多いので、2年間はある程度の家賃収入を見込めます。

ただし、管理会社に管理を委託する場合には、家賃の5%程度の手数料がかかります。自分で管理する場合には管理会社への手数料は必要ありません。また、マンションの場合には毎月管理組合へ支払う共益費と修繕積立費も家賃から出すので、家賃の全額が手元に残るわけではありません。

それでも、プラスαの家賃収入は長期的な視野で見ると大きな金額になってきます。

経費として計上できる

所有している家を売却せずに賃貸に出した場合、賃貸に出すためのリフォーム代や管理会社に支払う手数料などは、経費として計上することができます。家賃収入は確定申告しなければいけませんが、家を維持するために必要な金額は経費として認められます。

維持管理費を経費として確定申告することで、節税効果を期待できます。なお、家を賃貸に出した場合に経費として認められる費用は次の通りです。

  • 貸し出すためのリフォーム代
  • 建物を維持管理するために必要な費用
  • 管理会社への管理手数料
  • 建物の減価償却費
  • 固定資産税・都市計画税・印紙税
  • ローンの利息と保証料

また住むことができる

売却してしまった家に再び住むことはかなり難しいことですが、賃貸であればそれほど難しくはありません。賃貸に出した場合には、所有者の名義は自分の名義から変更せずにすみます。自分名義の家に再び住むことはそれほど難しくはありません。

時々、賃貸に出した家から借り主がなかなか退去してくれなくて困っている家主もいます。無条件で借り主の意向での契約更新が可能な普通借家契約の場合には、退去してもらうのが難しいことも少なくありません。

しかし、契約期限を一定期間に限定する定期借家契約で貸し出した場合には、契約期間満了で借主は必ず退去しなければいけません。戻ってくる予定がある場合には、定期借家契約にすれば貸した家からなかなか退去してもらえないという問題も起こりにくくなります。

デメリット

所有していた家を賃貸に出す場合のデメリットです。

設備投資が必要

自分が今まで住んでいた家を賃貸に出そうと思っても、そのままの状態では他の人に貸し出せない状態の家も少なくありません。貸し出すためには最低限、本格的なクリーニングが必要です。場合によっては、壁紙やふすま、畳の張替えなどの内装工事も必要になります。

築年数がたっている家の場合には、修繕が必要になる場合もあります。水回りや扉の戸車、エアコンなどの修理や交換が必要です。古い家の場合には、本格的なリフォームによる間取りの変更などの必要な場合があります。

修繕やリフォームにかかる費用は必要経費として認められますが、自分で捻出するしかなく、家賃収入が入る前に多額の出費がかかることがあります

住宅ローンが使えなくなることがある

住宅ローンの支払い中の家を賃貸に出す場合には、住宅ローンが使えなくなってしまうことがあるので注意が必要です。住宅ローンは、自分が住むための家を購入するためのローンです。今まで自分が住んでいたとしても、賃貸経営を始めてしまったら事業用物件になってしまい、住宅ローンの対象外となってしまいます。

住宅ローンを支払い中の家を、もしも金融機関に無断で貸し出した場合には、契約違反を問われてしまい残債の一括返済を求められてしまうこともあります。

ただし、賃貸に出す前に金融機関に相談すれば、事業用ローンへの切り替えも可能です。急な転勤命令などで、住宅ローンを支払い中の家を賃貸に出さざるを得なくなる方も少なくないので、金融機関も相談すれば住宅ローンをどのようにすればいいのか教えてくれます。

今住んでいる家を賃貸に出すつもりなら、住宅ローンを借入している金融機関へ相談しておきましょう。

空室リスク

今まで住んでいた家を賃貸に出すつもりで、リフォームをしたり、金利の高い事業用ローンに切り替えたりしても、必ず借り手が見つかるとは限りません。また、2年契約で貸し出しても、確実に2年間住み続けてくれるとは限らずに、途中で退去されてしまう可能性もあります。

家を賃貸に出した場合には、借り手が見つからない空室リスクが必ずあるという点はデメリットと言えます。

家は所有しているだけでも諸々の経費がかかります。固定資産税やローンの支払い、管理会社への手数料、マンションの共益費や修繕積立費は、実際に住んでいる人がいてもいなくても、所有者が必ず支払わなければいけないものです。

家を借りてくれる人が現われなければ、家を所有していることで生じる諸々の経費の支払いは、家賃以外の収入や貯金から支払わなければいけなくなり、赤字経営になってしまいます。

家賃収入を見込んでその後のプランを練っていたとしても、借り手が見つからなければプラン通りには進みません。しかし、借り手が見つかるかどうかは、自分ではどうすることもできない、運次第のところも大きいのが賃貸に出す場合のデメリットです。

売却した場合のシミュレーション

家を売却したら、実際にどのくらいの金額が手元に残るのかシミュレーションしてみましょう。8年住み続けた住宅ローン支払い中の家を2,500万円で売却した場合にかかる経費は次の通りです。

経費金額
仲介手数料2,500万円の3%+6万円+消費税=89万1,000円
印紙税1万円(軽減税率適用)
抵当権抹消登記費用登録免許税(建物1件と土地1筆) 1,000円×2件=2,000円

司法書士への報酬 2万円

経費合計92万3,000円

手元に残る金額は売却金額から経費を差し引いた金額なので次の通りです。

  • 2,500万円-92万3,000円=2,407万7,000円

ここからさらに購入時にかかった取得費を差し引いた金額が譲渡所得になります。譲渡所得税については、マイホームを売却した場合には3,000万円控除ができるマイホームの特例が適用される範囲内なので課税されません。住宅ローンを支払い中であれば、残債をこの金額から一括返済します。

なお、より高額での売却を目指すのであれば、全国各地から選りすぐった良心的な不動産会社と提携している不動産一括査定サイトの「すまいステップ」で査定すると、最大4社から査定を取り寄せて比較できます。不動産会社選びにも活用できるので、ぜひ利用してみましょう。

賃貸に出した場合のシミュレーション

持ち家を賃貸に10年間出した場合には、家賃収入とかかる費用との差額がどのくらいになるのかシミュレーションしてみましょう。

賃貸に出すための条件

  • 家賃は8万円
  • 貸し出す前のリフォームなどの初期費用200万円
  • 借り主を見つけるための不動産会社への仲介手数料8万円
  • 火災保険料10年間で20万円
  • 維持管理のための諸経費は毎月3万円ずつ

10年間借り主が継続的に借り続けてくれた場合の家賃収入の合計

8万円×12ヶ月×10年間=960万円

10年間、家を維持するための経費

200万円+8万円+20万円+(3万円×12ヶ月×10年間)=588万円

収入と経費の差額

960万円-588万円=372万円

10年間賃貸に出した場合には、372万円の収入を得られます。この収入は不動産経営の収入として確定申告が必要なので、所得税と住民税の対象になります。

自分の状況や家の状態から売却にするか賃貸にするのかを選ぼう

持ち家に住み続けられなくなってしまうことは、とても残念なことです。しかし、どうしても避けられない事情で、引っ越しせざるを得なくなる場合もあります。この記事でもお伝えしたように、所有している家を、売却するのか、賃貸に出すのかは、それぞれの事情によってどちらがいいのか変わります。決断を迫られたときには、ぜひ、あなた自身の状況をよく考えた上で、最もいい選択肢を選ぶようにしましょう。

【完全無料】うちの価格いくら?