市街化調整区域内の不動産売買方法とその注意点4つを徹底解説

市街化調整区域に不動産を所有している場合には売買にあたって制限があったりするので注意が必要です。ここでは市街化調整区域がどういったものかを理解した上で、その売買方法と注意点について解説していきます。市街化調整区域の特性を理解して、スムーズに売却を進められるよう準備していきましょう。

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市街化調整区域とは

まずは市街化調整区域がどのような土地なのかについて理解しましょう。市街化調整区域の特徴や制限について理解し、土地を売却するときに想定外の事態にならないようにしましょう。
都市部から離れた緑豊かな土地では市街化調整区域に指定されていることが多いので、自分の所有する土地がどのような区域にあるか知っておくことは大切です。

市街化調整区域のあらまし

土地は大きく分けて「都市計画区域」と「都市計画区域外」に分けられます。都市計画区域外でもインターチェジの周辺など開発規制が必要な地域には「準都市計画区域」が指定されていることもありますが、国土の1%程度です。国土の約25%が都市計画区域に当たり9割の人口が住んでいます。
都市計画区域はさらに「市街化区域」と「市街化調整区域」に分けられます。それとは別に宅地や田畑など用途によって23種類の地目として用途地域が定められています。どちらも都市計画法に基づいて都道府県でその線引きがされています。
市街化区域は、人が住むための都市開発を目的に、用途に合わせた建物を自由に建てることができます。多くの自治体では都市計画税を市街化区域に設定して、道路や水道、都市ガスなどのインフラ整備の財源として徴収しています。都市部の土地売買では主に市街化区域の不動産が扱われることが多いです。
一方で市街化調整区域は都市部の周辺に指定されている地域で、農地や自然を守るために開発を制限している場合がほとんどです。大都市圏ではほとんどの土地が市街化区域に指定されていますが、周辺の市町村では市街化調整区域が占める割合が50%を超えるところもあります。
さらに地方の町村になると市街化区域と市街化調整区域の区分がされていない「非線引き都市計画区域」を採用しているところもありました。細かい規制はその地域の自治体によってさまざまなので、ここでは基本的な市街化調整区域の特徴のついて解説していきます。

市街化調整区域の特徴

市街化調整区域は田園風景の残る静かな土地であることが多いです。主に農林水産業に従事する土地として利用されています。インフラが未整備であったり、都市部までの交通の便が悪いなどの側面もあります。土地の価格も安く、制限もある上、住むのに便利な環境ではないことから投資としての不動産価値は見込めない土地がほとんどです。

市街化調整区域を調べる方法

どの土地が市街化区域や市街化調整区域なのかは各市町村の自治体にある都市計画図で確認できます。都市計画課や総務課など都市計画を担当する部署に問い合わせると教えてくれます。図書館にも置いてある場合があるのでチェックしてみましょう。
また、自治体によってはインターネットを利用した都市計画図のウェブサービスで情報提供を行っているところもあります。所有している不動産がどの区域にあるのかわからない場合には、まず市街化区域にあるのか市街化調整区域にあるのかを確認することからはじめましょう。

市街化調整区域の土地の評価

市街化調整区域は開発を制限している上、都市部からも離れたところにあるので土地の評価は低いことがほとんどです。都市計画の変更などで評価が変動することもありますが、ほとんどは市街化区域の6割~7割程度の評価がされています。
また、市街化調整区域には都市計画税が課税されず、土地・建物の評価額も低いので、税金の負担も安い特徴があります。その分、不動産会社は利益が少ないので市街化調整区域の土地を扱っているところが少ないこともあります。
また、農地のような地目によって売れにくい土地もあるので評価はさらに下がることもあります。

市街化調整区域にある制限

市街化調整区域はまず建物を建てようと思った時には都道府県の審査を受けて許可を得る必要があります。基本的には開発・建築ができない地域なので条件が揃っていないと許可は得られません。
また、すでに市街化調整区域内で宅地として登録されている土地でも新築や増改築については建設確認申請が必要です。2001年までは既存宅地の新築・増改築に申請は不要でしたが、都市計画法の改正で許可を得ることが必要になりました。
市街化調整区域内の土地を売買する際には、既に建っている建物を取り壊した後に契約をすると、宅地として登録されていた地目も消滅してしまうので注意が必要です。宅地として取引する場合には、不動産取引を終えた後に買主が増改築をする必要があります。
建物を建てる際には容積率や建築面積、建物の高さの制限が設けられているので土地を買ったからといって好きに家を建てられるわけではないことも覚えておく必要があります。さらに、市街化調整区域の土地を売り出す場合には「市街化調整区域。宅地の造成および建物の建築はできません」という記載をする必要があります。
その他制限については自治体によるところもありますので役所の窓口で問い合わせておきましょう。

都市計画区域の種類

市街化調整区域は都市計画法に基づいて、都市計画区域の中に指定されている区域区分の1つです。ここで都市計画区域の種類について整理しておきましょう

都市計画区域市街化区域
市街化調整区域
(非線引き区域)
都市計画区域外
(準都市計画区域)

まず、日本の土地は都市計画法によって都市計画区域と都市計画区域外に分けられます。都市計画区域外の地域でもインターチェンジ周辺や広域幹線道路沿道など開発を規制する必要がある場所は準都市計画区域に指定して、一定の土地利用制限をかけています。
都市として開発を行うことを前提にした都市計画区域はさらに市街化区域と市街化調整区域に分けられます。市街化区域は都市として開発を積極的に行っていくのに対して、開発を制限して都市計画区域外との緩衝地となるのが市街化調整区域の役割です。
また、区域区分が定められていない都市計画区域も存在し、市街化があまり行われない地域に指定されていることが多いです。非線引き区域とも呼ばれています。非線引き区域は市街化区域にも市街化調整区域にもならない区域です。土地利用に関する規制が市街化区域よりは緩やかで、開発許可の規制も市街化調整区域より緩やかです。
それぞれの市町村でも許認可の有無や建築の制限が変わるので、土地がどの区域区分に当てはまるのかを知ることが重要です。  

市街化調整区域の土地を売却する方法

さまざまな制限や評価が低い市街化調整区域内の土地ですが、では売却するためにはどのようなことをするのがよいのか知りたいですよね。ここでは市街化調整区域の土地を売却する方法について紹介していきます。

市街化調整区域に強い不動産会社に依頼する

市街化調整区域は売却価格が低いため、売買が成立しても仲介手数料が安く上手に売ってくれる不動産会社は限られてきます。市街化調整区域の土地を専門に仲介してくれる業者があれば、そこに依頼するのがおすすめです。
一般の分譲地や中古物件を売買するのとは別のノウハウが必要になってくるので、できるだけ市街化調整区域の土地に強い不動産会社に依頼することが土地の売却につながります。

オークションで売却する

インターネットオークションが気軽に利用できるようになったことから、ネット上で土地の売買が行われることも一般的になってきました。不動産会社で売り出すと価格が上がることはありませんが、不動産オークションで売却する場合は、落札希望者同士で価格が上がっていくことが期待できます。
インターネットオークションで出品する場合には、市街化調整区域であることを明示することが必要です。オークションサイトとしてはヤフオク!や不動産会社が運営する不動産オークションサイトがあります。
市街化調整区域のように価格に期待ができない土地や、売買を急ぎたい人には向いています。オークション期間が終了するまでに落札者が現れれば、落札価格で即売買契約ができるからです。
ただし、落札者が現れない場合には売ることができませんし、不動産会社が直接仲介してくれるわけではないので、購入者とのトラブルが発生することもあります。利用にあたっては利用規則をよく読んで、リスクがあることを理解して利用しましょう。

農家に打診する

所有する土地の登記が農地になっている場合には、農家に売却の打診をするのがよいでしょう。農地の隣地で買い取ってくれないか声をかけてみることで売却につながる可能性もあります。1つの農地が小さくても、いくつか合わせれば市街地に近く、大規模開発ができる見込みがある場合には開発が可能になる場合もあります。

買取業者に売却する

1つの土地では開発に向かない広さでも、周辺をまとめることで宅地開発の期待ができる場合もあります。また、その土地活用ができる不動産会社などがいれば買取という手段もあります。
不動産会社は「仲介」だけでなく「買取」を行っているところもあります。買取の場合、仲介手数料はかかりません。買取額は相場より2~4割程度安くなりますが、売却を急ぐなら買取に強い不動産会社に依頼するのも売却する方法の1つです。
どこが買取を行ってくれるかは査定依頼をしてみないとなかなかわかりません。すまいステップの一括査定依頼サービスを利用すれば、売却したい土地の査定を複数の不動産会社に依頼できます。簡単な情報入力ですぐに依頼ができるので便利です。

市街化調整区域売買の注意点4つ

ここまで市街化調整区域の土地の特徴についてみてきましたが、売買をする場合には注意しておきたい4つのポイントがあります。ここでは市街化調整区域の土地を売買するにあたって事前に注意しておきたいポイントについて紹介していきます。

インフラ整備は要確認

市街化調整区域は基本開発が制限されているので、インフラが整備されていない土地が多いです。場所によっては開発許可が下りていてインフラを整備している場所もあります。市街化調整区域の土地を売るには上下水道や都市ガスの整備が行われているか確認が重要です。
下水道が整備されていない場合にはトイレの汲み取りを行っているかも重要なポイントになります。鉄道が整備されていないまでもバスなどの交通インフラが整っているかは売却価格に大きく影響します。
また、宅地開発が可能であれば土地が売れる見通しが立ちます。ただ、インフラが整備されていない場合には土地を売るための整備費用を負担して売却しても利益が出るか計算することが大切です。

自治体の条例を確認する

開発許可や都市計画は都道府県で行われますが、市町村の各自治体によって独自の条例で市街化調整区域の利用に制限を設けているところがあります。市街化調整区域内の土地に建物を新たに建てられるかは都道府県だけでなく自治体単位でも許可の基準が異なってきます。
市街化調整区域内に所有している土地にどのような制限が設けられているのかはまず、土地が所在する役所の窓口に問い合わせて細かく説明を受けておくことが大切です。
特に市街化調整区域指定前の住戸の建て替えについては、以前は既存宅地の制度を利用して許可を得なくても建て替えができましたが、都市計画法の改正により、自治体の基準を満たして許可を得た場合のみ建て替えが可能になりました。
古くからあるからや一般的に売れるということで話を進めると開発許可が下りず売買ができなくなることもあるので確認しておくことが重要です。

接道義務を満たす必要がある

都市計画法上、土地に建物を建てる場合には、接続する道路の幅が4m以上のところに2m以上接した土地でなければならない接道義務規定があります。古い市街地基準で建てられた建物では特に旗竿状地のような道路から奥にある土地まで延長した私道の幅が2mに満たないケースがあります。
また、接続道路の幅が4mに満たない場合には道路の中心から2mのところまで土地を後退させるセットバックが必要になります。市街化調整区域内でも接道義務が適用されるので、家を建てる場合には接道義務に合わせて土地を整える必要があります。

線引き前か後かを知る

市街化調整区域は1970年代に区分が決められ、線引きがされました。線引き前にすでに宅地として利用している住居は、これまで同一区画で、同じ用途に利用するなどの条件を満たせば無許可で建て替えができましたが、都市計画法の改正によって各自治体の基準を満たした上で許可が必要になりました。
とはいえ、既存宅地の制度廃止に伴う救済措置としての側面が強いため、線引き前の建物なら売却後の建て替えが認められる可能性は十分にあります。
土地の全部事項証明書、固定資産評価証明書、建物の全部事項証明書、都市計画図(白図)などで地歴などが調べられるので、古くからある建物を所有している場合はいつ建てられたものか確認しましょう。

市街化調整区域で売却できる土地

買手の付きにくい市街化調整区域の土地でも売却しやすい条件が整えば買手を見つけることも可能です。主に地目が宅地になることが売りやすい条件です。宅地として開発許可を得るには許認可が必要です。ここでは市街化調整区域で売却できる土地を紹介していきます。

開発許可が得られる土地

市街化調整区域内でも市街化区域に隣接している場合には条件を満たせば宅地として開発できる許可が下りる可能性が高いです。条件としては50棟程度の住戸が連なるエリアや、上下水道の整備が終わっている、接道義務を満たして道路に接しているなどがあります。
宅地として土地を取得できるなら資産としても活用できるので売却がしやすくなります。市街化区域と一体的な日常生活圏を構成している場合には用途変更の許可が下りるか役所に相談の上、都道府県に許可申請を行いましょう。

用途地域内の土地

高度経済成長期には市街化調整区域内に用途地域が定められていたことがあります。市街化調整区域内では、宅地の中でも第一種低層住居専用地域などの適用が主になります。所有する土地が第一種低層住居専用地域になっていれば、売却しやすくなります。第一種低層住居専用地域の規制の中で建て替えも十分に可能です。

市街化調整区域内で売却しづらい土地

一方で市街化調整区域内でも売却しづらい土地にはどのようなものがあるかもみていきましょう。このような土地では特に売買を目的とした取引は難しいので売却できる条件整備などの手をかける必要があります。

農地

地目が「農地」になっていると売却のハードルが上がります。農地から宅地などに用途変更の許可が得られれば、まだ売りやすくなります。しかし、用途変更の許可が下りず農地のまま売る場合は、買主は農業を行う人に限られます。
農地は都市計画法以外に農地法によって規制がかけられています。農地から宅地などへ用途変更する場合には農業委員会に事前許認可を受ける必要があります。農地を所有していて売却を考えている場合には農業委員会に相談してみるのも手です。

無許可で建てた建物がある土地

市街化調整区域の農地などに農家の住宅やビニールハウスなどの施設を建てるのは許可なくできます。しかし、それら以外に住居などの無許可で建てた建物がある土地を売る場合には、建て替えもできないので買手が付きにくく売却がしづらい土地にあたります。
区域区分の線引きがされた当時は制度変更のなかでうやむやに建築がされた建物も少なくありません。市街化調整区域にあるのに住居に住んでいる場合には合法的な許可を受けた建築物か確認しておくことが大切です。

開発許可が下りない土地

市街化調整区域は開発が制限されている土地です。宅地などを建設するために開発を行う場合には都道府県知事の許可が必要です。所有する土地に開発許可が下りなければ家の建て替えなどもできないので売却はしづらくなります
新築・増改築には許可が必要になるので、まずは開発許可が下りるのか窓口で確認しましょう。地目が宅地以外の場合には用途変更の申請許可も必要になります。市街化調整区域の土地は許可が下りるか下りないかが重要なポイントです。

市街化調整区域を売買する流れ

それでは最後にこれまでのことを踏まえて、市街化調整区域にある土地を売買する流れについて紹介していきます。
1.土地の状態を調査する
2.不動産業者や買取業者に売却依頼をする
3.売却条件を決定し買主を探す
4.条件合意ができたら売買契約を結ぶ
まずは、所有する土地がどのような状態にあるのかを調査します。不動産会社に査定依頼をすると不動産会社側でも行政に対してどのような規制があるのか、建築許可が得られるかなどの調査を行います。売主自身も役所などで都市計画図や制限・規制などを担当窓口で調べることができます。
売却の目途が立ったら不動産会社や土地買取業者に売却の依頼をしましょう。不動産オークションサイトなどで自身で売り出してみることもできます。売却条件を確認して買主を探す営業活動をはじめましょう。
買主がみつかり、売買条件に合意が得られたら売買契約を結んで代金をもらい、所有者移転登記などの手続きを進めます。不動産会社に仲介を依頼すれば事務手続きなどは基本的には代行してくれます。
売買後の利益や資産に伴う確定申告は自身で行う必要があるので、手続きについて不動産会社に確認しておくとよいでしょう。

市街化調整区域の不動産売買は難しいため条件を確認しよう

市街化調整区域は基本的には開発を制限して都市の乱開発を防ぐ役割を担っています。そのため、市街化調整区域内に所有する土地・建物を売買するのは難しい状況にあります。条例によって要件緩和策が決まったり、地域一帯の用途変更が行われて宅地になったりすれば売却はしやすくなりますが、高値で売れることは期待できません。
所有する土地が開発許可が下りないようだとさらに売却は難しくなりますが、許可の可否基準は市町村によって異なるので、役所の担当窓口で条件をよく確認して売却の見込みがあるか検討しましょう
条件がわかったところで不動産会社に査定を依頼して、売却の見込みがあるのか相談するのも得策です。不動産査定は不動産会社によって大きく異なることがあります。1社に絞らず、査定は複数の不動産会社に依頼して査定見積を比較して検討をすすめるのが重要です。
複数の不動産会社に査定を依頼するのは大変という方には「すまいステップ」の、無料一括見積依頼サービスが便利です。地域の優良な複数の不動産会社に一度の情報入力で簡単に査定依頼が行えます。不動産売却を考えているなら是非利用してみてください。

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